全国手もみ製茶技術競技大会 2024

日本の茶の生産は年内の作業をほぼ終えていますが、11月には特別なイベントがあります——それが「全国手もみ茶技術競技大会」です。このユニークな大会では、全国の茶産地から集まったチームが、最も長く、まっすぐな茶葉(針状茶)を作る技術を競い合います。   第28回の大会が11月14日に静岡県の藤枝市で開催されました。全部で28のチームが参加しましたが、静岡から5チーム、京都から4チームとこの2つの県からの参加者が多かったです。 あるチームは前日の夜に現地入りし、また別のチームは当日早朝に出発して、朝8時30分までにこの農村地域の会場に到着しました。受付の後、参加者は冷凍の茶葉を受け取り、ほいろと呼ばれる手もみ台の準備に取りかかりました。大会は正式に9時に始まり、5時間の作業時間を経て2時に針状の茶を提出します。 手もみの工程には、いくつもの緻密なステップが含まれます。まず、優しく揉んで表面の水分を取り除き、次に内部の水分を取り出すための力強い揉み込み、茶葉の固まりをほぐし、最後に美しく細長く形を整える仕上げへと進みます。そして、ほいろの上で最終的に茶を乾燥させます。今年は特に茶葉に内部水分が多く残っていたようで、制限時間内に終わらせるのに苦労したチームもありました。 今回の大会では、GJTeaメンバーの活躍も目立ちました。Bretさんは浜松チームとして参加し、Pauさんは和束(京都)のチームで出場。そして、私たちの代表であるSimonaも、別の和束チームで競技に加わりました。 そして今年の優勝は、地元・藤枝市のチームが手にしました。優勝チームの皆さん、おめでとうございます!

ブリュッセルティーフェスティバル 2024: ベルギーのティーシーンの鼓動を感じて

ブリュッセルの魅力的なイクセル地区の中心にある、2つの美しい池を見渡す象徴的なアールデコ建築「フラジェ宮殿」にて、2024年10月5日、第1回ブリュッセル・ティー・フェスティバルが開催されました。このイベントは、The Tea Circle Brusselsが主催し、お茶に情熱を持つボランティアチームの尽力によって実現しました。1日限定のイベントでしたが、ブリュッセルのみならず、ベルギーやヨーロッパ各地からお茶の愛好家が集結しました。   フェスティバルには、世界中から一流の茶生産者、茶ブランド、お茶屋、茶器作家、著名人が集結。今年の特集国は韓国で、5つの茶生産者が代表として参加しましたが、中国、インド、スリランカ、ネパール、イラン、ジョージアなど、他の国々からの参加も目立ちました。 日本については、「The Tea Circle」ブースにて、ベルギー担当のティー・カタリストであるCinzia Merlin氏が、私たち「Global Japanese Tea Association(国際日本茶協会)」の活動を紹介。また、Oscar Brekell氏は自身の厳選茶ブランド「Senchaism」とともに登場し、Marjolein Rijmakers氏(Ikedoki Tea)は日本南部からの高品質なスペシャルティなお茶を多数取り揃えました。どのブースも常に人だかりができ、訪問者たちは試飲や日本茶に関する情報に熱心な様子でした。Oscar氏はフェスティバル直前の平日夜にもかかわらず、多くの参加者とともに「単一農園・単一品種の煎茶」に関するワークショップを実施。Marjolein氏は春に「The Tea Circle」で同様のワークショップを開催していました。   会場には約30の出展ブースが並び、来場者は高品質の茶や茶器の無料試飲と購入を楽しめるほか、以下4つのテーマに関する討論会も実施されました:韓国茶、テイスティングの手法、お茶の儀式(裏千家のパネリストが登壇)、お茶と気候変動。これらの討論は、ベルギーのティー・カタリストが進行しました。どのセッションも多くの聴衆を集め、活発で興味深い議論が交わされました。来場者とのやりとりも活発で、驚くほどの参加度が見られました。 当日は、中国書道、ティー・ガストロノミー、モロッカン・ミントティーなど、ハイレベルな専門家による無料体験・試飲会も行われました。ここでも日本は存在感を示し、日本茶ラテや日本茶カクテルの試飲、ベルギーの裏千家による茶の湯デモンストレーションが開催されました。   […]

京都での特別茶会 – 2024年9月

先月、当団体の親愛なるティーフェローであり仕服アーティストのKyle Whittington 氏が、9月28日から10月を通じて京都・開化堂にて開催された仕服の展覧会に出席するため、京都を訪れました。この訪問を機に、当団体の京都オフィスで会員向けの特別イベントを開催し、Kyle が仕服創作の芸術への道のりを共有しました。 イベント中、私たちは仕服作りの細かな工程について学び、使用される特別な生地やその色の象徴的な意味についても学びました。温かいお茶とともに会話を楽しんだ後、上田宗古流の茶道を実践するKyle が、快く茶道の実演を披露してくれました。この体験は、赤堀製茶の爽やかな有機抹茶と、当団体ティーフェロー兼和菓子アーティストのJuliette Doutreleau が手掛けた、繊細で絶品な和菓子によってさらに特別な物となりました。 一緒に集まってお茶を楽しみ、お茶に関して語り合える素晴らしい機会でした。

日本茶マスターコース 2024年10月

日本茶マスターコースは、日本茶の真髄を体験できるユニークなコースです。2024年には、私たちはこのコースを2回開催することができ、2回目は10月初旬に行われました。暑く湿度の高い夏を経て、少しの雨が降ることはありましたが、10月の天気はようやく涼しくなり、京都市と周辺の茶産地を探索するには完璧な気候となりました。 世界中から10人の学生が参加し、その中にはブラジルやアルゼンチンなど遠くから参加してくれた学生もいました。多様な文化背景を持つ学生たちでしたが、10日間の旅を通じて中を深めることができました。コースでは日本茶のさまざまな側面を掘り下げ、異なる茶葉を味わい評価する機会に恵まれ、さらに茶の成分や水について実験することもありました。抹茶や煎茶の伝統的な茶道体験も、日本茶の文化的な根幹に対する理解を深める助けとなりました。 また、コースにはいくつかの茶工場や茶業関連の企業を訪れるプログラムも含まれており、学生たちは小規模と大規模な運営、伝統的と現代的な方法の両方について学び、日本の茶産業に対する理解をさらに深めることができました。最後には、2023年の卒業生とカナダのTea Catalysts(現地講師)が参加し、多文化的で世代を超えたつながりを育むことができました。 2回目のコースが終了した今、来年の準備を進めています。コースの日程は2025年1月に発表予定です。またお会いできることを楽しみにしています!

2024年 日本茶カンファレンス in京都

現在、日本茶が数々の試練にさらされていることは周知の事実でしょう。しかし、そのことがまた、日本茶を目新しく創造的な方法で探求することを促しています。2023年、私たちは日本茶に関する革新的なプロジェクトを紹介し、お茶に関心のある人々が繋がれる場を提供するため、日本茶カンファレンスを立ち上げました。そして2024年、再び日本茶カンファレンスを開催し、その第2回は7月28日に京都で開催されました。 今年はプログラムを拡大し、3名の日本茶イノベーター(日本茶のプロフェッショナル)を招聘しました。彼らは異なる視点から日本茶を探求し、日本茶業界に新たなインスピレーションをもたらそうとしています。 中村栄志氏(売茶中村)は、冷凍技術で茶業界を変えることについて語りました。通常、日本茶は収穫後すぐに蒸し、圧延、乾燥技術を使って加工されます。一方、冷凍するとお茶の加工を一年を通して分散させることができるため、生産者のストレスを軽減し、一年中新鮮なお茶を消費者に提供することができます。 政所茶縁の会の山形蓮氏は、歴史ある茶産地を守ることの重要性について語りました。数年前、お茶の世界に足を踏み入れたばかりの山形さんは、滋賀県の山間にある美しい政所に魅了されました。ほとんどの茶産農家が収穫技術を取り入れる中、政所のお茶は昔ながらの製法で作られており、山形さんはそれを守るため、地域の人々をまとめあげました。 最後に、mirume深緑茶房の松本壮真さんは、美味しいお茶を日常生活で身近なものにする必要性を強調しました。mirume深緑茶房では、朝ボトルプログラムを通じてこれを実現しようとしており、会社員らが通勤時に高級茶葉を使ったペットボトルのお茶を借り、帰りに返却できるような取り組みとなっています。 プレゼンテーション後の休憩時間には、参加者が実際に2つの特別なお茶、冷凍和紅茶と政所の番茶を試すことができました。その後、日本茶エバンジェリストプログラムに参加し、留学前に日本茶について学んできた大学生たちにフォーカスが移りました。会場に来ていた学生もいれば、留学先からオンラインで日本茶広報活動の体験について報告した学生もいました。 カンファレンスの最後には、日本各地の12種類のお茶を集めたティーパーティーが開かれました。参加者は日本茶エバンジェリストらが淹れたユニークで美味しいお茶を味わいながら、交流やおしゃべりに花を咲かせました。そして、イベントは松本理事の歌と感動的なスピーチで幕を閉じました。

2024年 日本茶カンファレンス in東京

現在、人々の日本茶への関心は薄れ、厳しい時代に直面しています。しかし、日本茶を強く愛し、その明るい未来を作ろうと挑戦している人たちがいます。この挑戦をサポートするため、私たちは革新的な日本茶の取り組みに焦点を当て、またお茶を愛する人々が繋がれる場を提供することを目的として2023年に日本茶カンファレンスを立ち上げました。2024年は2回目の開催で、第1回は7月21日に東京で開催されました。 今年のカンファレンスはより幅広い取り組みに着目したイベントとなりました。シモナ理事のウェルカムスピーチに始まり、日本茶イノベーターたちによる3つの基調講演が行われました。 抽出舎の小山和裕氏は、使いやすい道具、インタラクティブなお茶のコンテスト、情報メディアなどを通じて、日本茶をより身近なものにすることについて語りました。TOKYO TEA JOURNALの谷本幹人氏は、次世代に住みやすい世界を残すための農業への配慮型アプローチについて強く伝えました。最後に、株式会社TeaRoomの岩本涼氏は、講演で茶産業と茶文化を結びつけることの重要性を強調しました。 基調講演の後は、日本茶エバンジェリストプログラムに参加する大学生に焦点が当たりました。日本茶について学び留学した学生らは、留学先で日本茶を広めた経験について紹介しました。 カンファレンスの最後には、日本各地の12種類のお茶を集めたティーパーティーが開かれました。日本茶エバンジェリストたちが淹れた美味しくてユニークなお茶を楽しみながら、参加者たちは熱心に交流し、互いに心を通わせました。松本理事の感動的なスピーチで幕を閉じ、参加者は感動と絆を深めました。

マドリードのティーイベント 2024

7月13日、スペイン・マドリードで開催された日本茶のイベントと試飲会に、Wagashi UtataneさんとThe Matcha Houseさんのご招待で参加しました。The Matcha Houseの薬師寺容子さんは、日本茶とお菓子の販売ブースを出展。中森詩子さんは練り切り和菓子のワークショップを行い、岸さんは茶道を披露しました。 Annaのサポートには、ちょうどマドリードに滞在していた日本茶エヴァンジェリストのNichikaが参加。彼女は以前、私たちの京都オフィスでも手伝ってくれており、今回もとても心強い存在でした。二人で日本の緑茶についてのワークショップを2回開催しました。参加者は、日本茶とは何か、日本にはどんな種類があるのかを学び、急須で煎茶を淹れる方法を体験。詩子さん特製の和菓子と一緒に、日本茶を楽しむこともできました。 ワークショップの後半では、小さな「茶歌舞伎(ちゃかぶき)」ゲームを開催!当てるお茶は、「宇治のほうじ茶」「玄米茶」「西尾の煎茶」(ご提供ありがとうございます、The Matcha House!)。 一見簡単そうですが、参加者の目を色とりどりの手拭いで覆って、難易度アップ!とても楽しい雰囲気でした。 さらにうれしいサプライズがありました。GJTeaメンバーのIsabelさんがワークショップに参加してくれたのです。スペイン北部からはるばる来てくれて、本当にありがとうございました。お会いできて光栄でした! 今後も楽しい日本茶テイスティングの活動を企画していきますので、ぜひご期待ください!なお、2024年11月7日・8日には、スペイン語による初の「日本茶基礎講座(Japanese Tea Foundation Course)」がマドリードで開催される予定です。

日本茶マスターコース(2024年6月)

3年ぶりに日本茶マスターコースを再開することができ、6月後半に第1回目のコースが開催されました。受講生の皆さんは、私たちの大切なメンバーであり、とても大歓迎です! 受講生の中には、すでにお茶を販売している人や、お茶について教えている人もいれば、日本酒やコーヒー、ラーメンの専門家もいました。また、学術的にお茶について研究している人や、新しい道を探し求めている人もいました。   プログラムは月曜日から金曜日の朝から晩まで、お茶に関するアクティビティでいっぱいでした。梅雨の晴れ間を縫いながら、生徒たちはいくつかの茶園や工場を訪れ、2種類の茶道体験にも参加しました。玉露、玉緑茶、釜炒り茶などの緑茶はもちろん、和紅茶やウーロン茶、珍しい後発酵茶など、たくさんのお茶を試飲し、探求することができました。   会場はお茶への熱いエネルギーに包まれ、秋に次のグループを迎えるのが楽しみです!