日本茶マスターコース(2023年6月)

3年ぶりに日本茶マスターコースを再開することができ、6月後半に第1回目のコースが開催されました。受講生の皆さんは、私たちの大切なメンバーであり、とても大歓迎です! 受講生の中には、すでにお茶を販売している人や、お茶について教えている人もいれば、日本酒やコーヒー、ラーメンの専門家もいました。また、学術的にお茶について研究している人や、新しい道を探し求めている人もいました。   プログラムは月曜日から金曜日の朝から晩まで、お茶に関するアクティビティでいっぱいでした。梅雨の晴れ間を縫いながら、生徒たちはいくつかの茶園や工場を訪れ、2種類の茶道体験にも参加しました。玉露、玉緑茶、釜炒り茶などの緑茶はもちろん、和紅茶やウーロン茶、珍しい後発酵茶など、たくさんのお茶を試飲し、探求することができました。   会場はお茶への熱いエネルギーに包まれ、秋に次のグループを迎えるのが楽しみです!

日本茶エバンジェリスト 2022

日本茶エバンジェリストプログラムは、留学に行く日本人学生に焦点を当てた新しいプログラムです。2022年が初年度の開催でしたが、大成功を収めることができました。 日本茶は古風なものと思われがちで、若者世代は関心を示さないのではないかという懸念がありました。しかし、本プログラムに56人もの学生から応募があり、それは間違いだったことが証明されました。当初は20名の募集を予定していましたが、想定以上の関心の高さに27名までの増員を決めました。 新日本茶エバンジェリストたちは、まず日本茶に関する1週間の集中研修を受け、お茶の歴史、生産、品種、そして淹れ方について学びました。その後、彼らが実際に茶畑を訪問する機会もありました。一グループは京都府のおぶぶ茶苑を、もう一グループは茨城県の吉田茶園を見学しました。 そして、夏の終わりには全員が留学のため日本を旅立ち、日本茶エバンジェリストは合計15カ国・4大陸(ヨーロッパ、北米、アジア、オーストラリア)に広がりました。 1月21日、プログラムは最終の報告会で幕を閉じました。まだ多くのエバンジェリストが留学中のためオンラインでこのイベントに参加し、4時間以上にわたって日本茶のプロモーション活動とホスト国でのお茶に関する発見について発表しました。エバンジェリストの中には、ホストファミリーや大学の友人のために日本茶を淹れた学生もいました。また、数人は大きなイベントで数百人にお茶を振る舞いました! 日本茶エバンジェリストたちの熱意がよく伝わってきた、2023年もこのプログラムを続けることを考えています。詳細は追ってお知らせします。

「日本の茶産地」ビデオシリーズ 最終回

4か月間にわたり日本各地の茶産地を紹介してきた「日本の茶産地」ビデオシリーズは、12月をもって終了しました。シリーズ最後の訪問地は、埼玉県と東京都で、4つの茶産地を巡ることができました。 埼玉県と東京都で生産される「狭山茶」は、日本三大伝統茶ブランドのひとつとして広く知られています。現在、その多くは入間市で生産されています。所沢市は狭山茶の生産量で第2位を誇り、約300年前に新たな農地が開拓されたことで茶の生産が拡大しました。埼玉県の狭山市も一部の狭山茶の産地ですが、「狭山」という市名が決まったのは、茶のブランド名が既に広く知られてからのことでした。そして狭山茶は埼玉県だけでなく、東京都でも生産されています。東京都の東大和市は、日本の中でも最も都市化された茶産地のひとつといえるでしょう。 このプログラムは12月中、毎週公開され、現在はYouTubeチャンネルで視聴可能です。また、12月17日には、1時間のフルプログラムを会員の皆様や出演した茶生産者の方々と一緒に鑑賞する特別イベントを2回開催しました。参加者からは多くの質問が寄せられ、シリーズはとてもにぎやかな雰囲気の中で幕を閉じました。

バイオスティミラント資材の実証実験

バイオスティミラントって聞いたことがありますか? バイオスティミラントとは、植物に対する非生物的ストレスを制御することにより気候や土壌のコンディションに起因する植物のダメージを軽減し、健全な植物を提供する新しい技術です。 (日本バイオスティミラント協議会ホームページより) 現在の農業では、 ①優秀な作物遺伝子資源の開発:品種改良のこと②植物栄養の供給:肥料やりのこと③生物的ストレス(害虫、病気、雑草):除草、農薬散布のこと の制御が品質の良い農産物を生産する作業の中心です。 バイオスティミラントは、それらの3つに加えて、農作物が、発育の過程で受ける生物的ストレスおよび非生物的ストレスを軽減することにより、植物本来が持つポテンシャルを最大限引き出すことを目的とした考え方に基づいて、作られた資材です。 作物は、もともと、種の時点で、収穫時の最大収穫量が遺伝的に決まっています。ところが、発芽時や、苗の時期、開花期、結実期、収穫直前などに、病気や害虫(生物的ストレス)、高温や低温、物理的な被害(非生物的ストレス)により、本来、収穫できるはずだった収量が、非生物的ストレスと生物ストレス(下図の赤と白の)によって減少していくことを示したものが上図です。この減少量のことを、収量ギャップと表現します。このうち、非生物的なストレスによる収量減少を軽減することがバイオスティミュラントの役割です。 (日本バイオスティミラント協議会ホームページより) 今回、スペインの バイオベンチャー企業のバイオレゾン社と共同で、京都府和束町の茶畑にて、バイオスティミラント資材の実証実験をおこないました。 今回、使用したバイオスティミラント資材は、こちらのバイオ増強剤・Algafert。 このバイオ増強剤・Algafertにより、早春の凍霜害を防ぐことを目的としています。 作業自体は、農薬の噴霧とほぼ変わりません。 また散布後も特に変化はありません。(当然ですが。)今春の新芽が萌芽する頃になにか変化が生まれていたら、本当に素晴らしいです。

「日本の茶産地」ビデオシリーズ 第3弾

9月にスタートした「日本の茶産地」ビデオシリーズは、順調に続いています。11月の特集は京都府のお茶で、府内の5つの茶産地を巡る機会となりました。 日本茶好きの間で、宇治を知らない人はいないでしょう。この宇治の茶産地では、歴史ある茶の伝統について多くを学ぶことができました。続いて紹介されたのは、茶の伝統に大きく貢献してきた宇治田原です。また、昔から煎茶で知られる山間の茶産地・和束にも足を運びました。南山城では、近くにあるダムの利点が明らかになりました。そして最後は、京都府北部に位置する新しい茶産地のひとつ、綾部を訪れました。 このプログラムは11月中、毎週公開され、現在はYouTubeチャンネルで視聴可能です。また、11月12日には、1時間のフルプログラムを出演した茶生産者の方々と一緒に視聴する特別イベントを2回開催しました。 12月にはいよいよシリーズ最後の訪問地、埼玉県と東京都が特集されます。ここでは、地元ブランド「狭山茶」に焦点を当て、両都県にまたがる4つの茶産地(入間、所沢、狭山、東大和)を巡ります。 出演生産者とともに1時間のフルプログラムを鑑賞する最後の特別イベントは、12月17日に開催予定です。ぜひご登録ください!

「日本の茶産地」ビデオシリーズ 第2弾

ビデオシリーズ「日本の茶産地」が9月に公開され、一つ目の産地として鹿児島県を紹介しました。10月にはシリーズの第二弾として、静岡県に焦点を当てました。この撮影を通して、静岡の5つの茶産地をめぐることができました。   この番組で一番最初に紹介しているのは、葵区の足久保で、実は静岡茶の発祥の地と考えられているところです。また、掛川や比較的新しい産地である牧之原など、平地の主要な茶産地も紹介されました。さらに、静岡には山間部での茶栽培もあり、天竜や川根本町における茶の作り方についても学ぶことができました。   それぞれの産地の茶生産者の方々は、地域の話やご自身のストーリーを親切に共有してくださいました。足久保の武田さんは、静岡のお茶の生産が約10年前から減少し始めた理由を語ってくれました。掛川の松浦さんは、若者をお茶農家に引きつける取り組みを通じて、茶産地を守っていくという思いを話してくれました。牧之原の山本さんは、およそ150年前にゼロから茶産地がどのように作られたかという魅力的な話をしてくれました。天竜の太田さんは、お茶農家に嫁いだことをきっかけに茶作りを始めたというご自身の歴史を語ってくれました。そして川根本町では、土屋さんが山に広がる見事な茶畑の景色を見せてくれました。   このプログラムは10月中、毎週配信され、現在は一般公開されています。また、10月8日には、1時間のプログラムを会員の皆様や生産者の方々と一緒に鑑賞する特別イベントを2回開催しました。 11月には、京都府のお茶に焦点を当てたシリーズが始まります。京都府全体のお茶について学べるだけでなく、宇治、宇治田原、和束、南山城、綾部の5つの産地も巡ります。 特別イベントでは、プログラムの正式公開に先駆けて、出演する生産者の方々と一緒に1時間の番組を視聴することができます。開催日は11月12日です。ぜひご登録ください!

ビデオシリーズ「日本の茶産地」の公開

ビデオシリーズ「日本の茶産地」が6か月にわたる脚本作成、撮影、編集を経て9月に公開され、ついにこの成果を共有出来ることをうれしく思います。   最初のシリーズは鹿児島県のお茶に焦点を当てています。プログラムを通して、鹿児島県全体のお茶の状況について、そしてそれがどのように時間とともに発展してきたのかについて探求しました。また、県内の5つの茶産地—南九州市、志布志市、曽於市、霧島市、屋久島—についても詳しく掘り下げました。     南九州市では、春一番の山口浩一さんにお会いしました。彼はお茶を含むあらゆる植物を深く愛しており、ワイナリーを始めることも考えているそうです。志布志市では堀口製茶の山迫裕太さんとKyle Ketnerさんにお会いしました。彼らは大規模での有機茶生産の革新的な技術を共有してくださいました。曽於市の末吉製茶工房では又木健文さんに複数の活火山の近くで茶栽培を行う際の課題についてお話しいただきました。霧島市では、ヘンタ製茶の邉田孝一さんから茶農業と観光を結びつけることの重要性について学びました。そして、屋久島では、八万寿茶園の渡邉桂太さんが作るお茶と、屋久島の美しい自然に圧倒されました。   鹿児島県の茶に関するプログラムは、9月中に徐々に公開され、現在は一般公開されています。また、9月3日には、会員や番組に登場した茶農家とともに、鹿児島県のお茶に関する1時間のプログラムを鑑賞する特別イベントを2回開催しました。   茶農家の方々もこのプログラムに深く感動してくださいました。鹿児島県内の茶産地は互いに近いにもかかわらず、農繁期の忙しさのため、茶農家同士が他の地域を訪れる機会はあまりありません。そのため、他の茶農家の取り組みや隣接する地域の様子を知る貴重な機会となりました。また、世界各地の会員にとっても、茶農家と直接交流できる機会として非常に好評でした。     10月には、静岡県の茶業に焦点を当てたエピソードを公開します。静岡県全体の茶産業の現状を探るとともに、5つの茶産地—足久保、掛川、牧之原、天竜、川根—を訪れます。こちらも10月中に段階的に公開予定です。 さらに、出演した茶農家とともに番組全編を先行視聴できる特別イベントを、10月8日に開催します。ぜひお見逃しなく!  

新プロジェクトービデオシリーズ「日本の茶産地」

日本では通常、4月に新しい年度が始まります。新入生が入学し、新社会人が入社し、新しいプロジェクトが始まる時期です。そこで今回は、私たちの新しいプロジェクト、「日本の茶産地」というビデオシリーズについてお知らせできることをうれしく思います。   昨年の日本茶マラソンで皆さんが日本の茶産地に対する非常に強い関心を持たれていることを知り、もっと茶産地について深く掘り下げていこうと思いました。そこで今年、私たちは日本の4つの茶産地- 鹿児島・京都・静岡・埼玉を探求するビデオシリーズを制作することにしました。動画の中ではそれぞれの地域でどのようなお茶がどのように作られているのか、過去からどのようにそれらが変化し、これからどのようになっていくのかに焦点を当てていきます。このプログラムでは実際に茶に関わる人々- 茶の生産者たち、彼らが今抱える悩みや未来への希望- にもスポットを当てていきます。   ちょうど今、日本は春のお茶収穫期真っ最中です。そのため、私たちのチームは茶産地を訪れ、春の茶生産活動を撮影しています。撮影した映像を編集して一つの物語として組み立て、日本の茶産地のストーリーをお届けする予定です。この番組は秋に公開する計画で、公開に合わせてメンバー向けの特別上映イベントも開催したいと考えています。ぜひ、今後のアップデートにもご注目ください。