グローバルティーパーティー(7/22東京・7/29京都)

国際日本茶協会が日本茶エバンジェリストともに実施する、日本茶を世界へ広めるためのカンファレンスです。 今回が、記念すべき第1回目のグローバルティーパーティー。初年度は、東京と京都の2会場で実施します。会場は、東京は東京国際交流館、京都は京都市国際交流会館という、素晴らしい会場をご用意しました。 東京国際交流館 京都市国際交流会館 内容としては、国際日本茶協会のミッションである「日本茶の魅力をどのようにして世界に広めてゆくか?」という観点から、その最先端にいる日本茶エバンジェリストが見てきた世界各地の日本茶事情のレポートを聞きながら、参加者みんなで想像を広げてゆくミーティングです。 また第2部では、日本を代表するお茶をティスティングしながら、交流できる時間も設けます。お茶は、日本茶アワード受賞茶、出品茶受賞茶など日本を代表するお茶をご用意します。 参加者は、日本茶エバンジェリスト第1期生(すでに海外での日本茶PR経験のあるエバンジェリスト)とこれから世界へ旅立つ日本茶エバンジェリスト第2期生を中心に、茶業界人、国内外の日本茶ファンなど合計70名が2会場に集まる予定です。 ご興味のある方は、ぜひご参加ください。詳細につきましては、お申し込みページに記載しております。

バイオスティミラント資材の実証実験

バイオスティミラントって聞いたことがありますか? バイオスティミラントとは、植物に対する非生物的ストレスを制御することにより気候や土壌のコンディションに起因する植物のダメージを軽減し、健全な植物を提供する新しい技術です。 (日本バイオスティミラント協議会ホームページより) 現在の農業では、 ①優秀な作物遺伝子資源の開発:品種改良のこと②植物栄養の供給:肥料やりのこと③生物的ストレス(害虫、病気、雑草):除草、農薬散布のこと の制御が品質の良い農産物を生産する作業の中心です。 バイオスティミラントは、それらの3つに加えて、農作物が、発育の過程で受ける生物的ストレスおよび非生物的ストレスを軽減することにより、植物本来が持つポテンシャルを最大限引き出すことを目的とした考え方に基づいて、作られた資材です。 作物は、もともと、種の時点で、収穫時の最大収穫量が遺伝的に決まっています。ところが、発芽時や、苗の時期、開花期、結実期、収穫直前などに、病気や害虫(生物的ストレス)、高温や低温、物理的な被害(非生物的ストレス)により、本来、収穫できるはずだった収量が、非生物的ストレスと生物ストレス(下図の赤と白の)によって減少していくことを示したものが上図です。この減少量のことを、収量ギャップと表現します。このうち、非生物的なストレスによる収量減少を軽減することがバイオスティミュラントの役割です。 (日本バイオスティミラント協議会ホームページより) 今回、スペインの バイオベンチャー企業のバイオレゾン社と共同で、京都府和束町の茶畑にて、バイオスティミラント資材の実証実験をおこないました。 今回、使用したバイオスティミラント資材は、こちらのバイオ増強剤・Algafert。 このバイオ増強剤・Algafertにより、早春の凍霜害を防ぐことを目的としています。 作業自体は、農薬の噴霧とほぼ変わりません。 また散布後も特に変化はありません。(当然ですが。)今春の新芽が萌芽する頃になにか変化が生まれていたら、本当に素晴らしいです。

日本茶の味は地域で変わる

日本茶の味と聞いて、真っ先にイメージする物とは何ですか? 出汁の様な旨味? スッキリとした苦さ? それとも渋―い、田舎の爺ちゃん婆ちゃんの家で出されるような味? 日本茶の味は、旨味、甘み、苦味、渋みの4つに大きく分かれますが、どの味を追求するかは生産する地域や栽培の仕方によってバラバラです。そして特に大事な事は「○○県のお茶はこういう味だと自分は知っている。だから○○県のお茶なら何でもいい」という考えは不適切であり、そういう思い込みは「どうして俺はこんな物を買ってしまったんだ・・・」と後悔する結末になりがちです。 自分が住んでいる静岡県のお茶を、例として説明します。静岡のお茶の傾向は、地域によって大きく二つに分かれます。今回は代表例として本山茶と、牧之原茶を挙げます。 ●本山茶:本山は静岡市の山間部、藁科川と安倍川の上流域 足久保一帯にある地域で生産されたお茶です。 深山幽谷、茶幻郷、皆さんがイメージする ザ・茶畑 そのまんまの光景が広がっています。静岡駅から車で20分あれば行ける場所なので静岡による機会があれば是非どうぞ。本山茶の特徴は「旨味」または「甘味」の味が先に来て、後味は「苦味」があり、蒸し方は浅蒸し~中蒸しの傾向があります。「お茶自体が持つ風味を極限まで追求したお茶」だと言われています。火香については茶問屋の火入れ具合にもよりますが、自分の経験だと 1000円/100 g辺りだと火香が感じられ、1500円/100 g以上だと殆ど火香は無く、青葉or海苔の香りがしました。本山茶は食事と一緒に飲むよりはお茶の時間に絞って飲んだ方が楽しめると思います(自分は四六時中飲んでいますけれど) ●牧之原茶:牧之原は明治時代に開拓された少し高い台地の上に広がる巨大な茶産地のお茶です。晴れた日に行くと「太陽、空、緑色」の世界です。カテキンが充満しています。牧之原茶の特徴は山間よりも強い日差しの下で育つ為、葉が硬い事です。その為、本山茶と同じ浅蒸し製法では、ゲキニガの液体しか出来ません。よって蒸し時間を長くした中~深蒸し製法を行うか、寒冷紗などで覆いを被せるなどの工夫を重ねて作られています。「作り手の意思に合わせて改良を加えたお茶」だと言えます。その為、濃い旨味を持つ場合もあれば、苦味と渋みだけのお茶もあるなど、豊富なバリエーションを持っています。ただし、全体的にパンチの効いた味なので、空きっ腹で飲むと大抵後悔します。食事の後に飲むか、紅茶と同じようにお茶菓子をお供に飲む事をお勧めします。上の二つはいずれも静岡県を代表する産地のお茶です。同じ県内でも大きく個性が分かれているという事が伝わったでしょうか? 付け加えて言うと、お茶の味は生産者の育て方、茶問屋がどう手を加えたかで更に変化します。産地だけでお茶を選ばず、生産者の発信する情報、売る人の商品説明、そしてできれば適切な淹れ方で淹れたお茶を試飲してから購入する事を自分はお勧めします。 伊澤龍一

しぼりだし

先日、日本の伝統的な茶器で「しぼりだし」という物を、滋賀県の「信楽」という場所で買ってきました。しぼりだしの起源は急須より古く、中国の蓋碗から進化したらしいです 「お茶のエキスを最後まで絞り出せる」から「絞り出し」という名前がついたとの事。自分が買ってきたのはこの二つ その表面はツルツルした箇所とざらざらした箇所の二つに分かれていて、特にざらざらした部分は、フタの滑り止めの役割も果たしている。機能的! 信楽はたぬき人形でお馴染みの焼き物の街ですが、しぼりだしはこの街でも数が少ない茶器なので、何軒かお店を回って、やっと買えました! 伊澤龍一

和束(京都)〜日本の茶産地

茶作り八百有余年の歴史、和束(わづか) 和束茶は、気象的・土壌的に恵まれた条件を生かし、古くから香り高い高級煎茶を栽培し、現在も宇治茶の4割弱を生産する産地で、近年ではてん茶の生産は全国トップクラスの生産量を誇っています。   和束町のお茶の歴史は、鎌倉時代に海住山寺にいた高僧「慈心上人」が、茶業興隆の祖と言われる「栂ノ尾の明恵上人」から茶の種子の分与を受け、鷲峰山山麓に栽培したのが始まりであると言われています。 また、天正年間(1573~1592年)には、和束郷原山の地に57aほどの畑を開き、茶の実を蒔いたと言う記録が残されていますが、その当時の製茶法は極めて幼稚なもので、自家用に使われていたと言われています。 その後、元文3年(1738年)に和束の隣、宇治田原町の永谷宗円が煎茶法を考案されたが、和束ではそれ以前からお茶を作り販売していたらしく、町内の大智寺所蔵文書にその記録があります。その頃からお茶の栽培が増え、煎茶を専門にする農家が出始め、江戸時代中期からの茶保護施策により、和束茶業も一層発展し今日に至っています。(和束町ホームページより) 和束の気候風土 和束町は町の中心を流れる和束川に沿った谷間に広がる茶産地です。標高100m〜600mの山あいに町広がる茶園は約600haあり、それを約300軒の茶農家が数代に渡り、守ってきました。 かつてマンガンの鉱山が至る所にありミネラル分が豊富な岩盤地形の上に茶畑があり、また昼夜の大きな寒暖の差が生み出す霧によって、和束の茶葉には「霧香(きりか)」と呼ばれる香りがあると言われています。 現在、京都産の茶葉の約40%は和束産で、抹茶の原料である碾茶の生産量は、国内生産量の22%を占め、日本一です。しかしながら茶園は急峻な丘陵地帯に広がり、乗用摘採機が入れる茶畑がほとんどなく、今も可搬式摘採機による収穫が主流です。 和束茶の種類 和束は、基本的に浅蒸しが主流で、元々は純煎(露地煎茶)が有名でした。近年のかぶせ茶、そして抹茶の原料である碾茶の需要拡大の流れに乗り、覆いがけをしたお茶が増えており、露地煎茶は生産量では、主流のお茶ではなくなりました。 また京番茶という、硬化した茶葉を使ったカフェインが少ないほうじ茶も伝統的に作られています。 近年では、和紅茶も増えてきました。 近年のシングルオリジンの流れにいち早くキャッチアップし、茶農家ごとのシングルオリジンの煎茶などが100種類以上楽しめる和束茶カフェが2009年よりオープンしています。 和束町マップ 和束町おすすめスポット 和束茶カフェ 和束町内で生産されたシングルオリジンのお茶が飲める、購入できる。 営業時間 10:00−17:00 年間スケジュール 4月中旬 初市の茶摘み(手摘み)&手揉み製茶4月下旬 新茶の収穫開始5月   碾茶の収穫6月   刈り直し(番茶)の収穫7月   二番茶の収穫8月   お盆休み9月   秋番茶の収穫開始11月  茶源郷まつり

日本茶基礎コース in マドリード(スペイン)

この日は、今年から始まった日本茶基礎コースをマドリードリスタ駅にほど近いコーワーキングスペースにて開催させていただきました。この日集まってくださったのは、マルガリータさん。ついにきましたよ!参加者お一人様に対して、国際日本茶協会創立メンバー3人がかりで基礎コースを実施させていただきました。 これまでの10年間で、数百回の日本茶のイベントを開催してまいりましたが、参加者の方が一人というのは、初めてです。これだけ少ないと(一人未満だと開催できませんからね。)、これ以上なく、じっくり進められるのがいいですよね。 実際、自分たちにとっても初めての海外での日本茶基礎コースでしたから、こういう言い方はなんですが、自分たちのトレーニングとしては最高のものでした。 本当になんと言いますか、”気”みたいなものがあって、国際日本茶協会として初めてのユーロツアーで初めての試みで、試験的にやってみたいというおもいがどこかにあったら、それがきちんと現実として現れるものなんだなあとつくづく思いました。 3人がかりで6時間の特訓コースとなった日本茶基礎コース、楽しんでいただけたでしょうか?マルガリータさんはこれまでも中国茶などのセミナーをご自身でも開催されていたとのことで、今後日本茶のセミナーもやってみたいとのこと。 これから楽しみですね!いつか一緒に日本茶のイベントができることを楽しみにしております。その時には、この日のことを笑い話として紹介したいですね。 ありがとうございます。

日本茶セミナー in マドリード(スペイン)

この日は、マドリードにある国際交流基金の日本文化マドリードセンターにて、日本茶セミナーを開催させていただきました。国際交流基金は、世界の全地域において、総合的に国際文化交流事業を実施する日本で唯一の専門機関で、海外14の日本文化センターがあり、今回お借りした会場はその一つです。 以前にも何度かお借りして、日本茶セミナーを開催させていただいておりますが、スタッフの皆さんは日本語が話せたりととても協力的で、ありがたく頼れる存在です。 今年も30名近くのお茶好きが集まってくれて、日本茶のこと、立ち上げたばかりの国際日本茶協会のことをお話しさせていただきました。参加者の中には、日本国内で開催した日本茶マスターコース(JTMC)に参加してくれたクリテスティーナとリディアも来てくれました。リディアはバルセロナでお茶屋さんをやっているにも関わらず、はるばるマドリードまで、AVE(新幹線みたいな特急)で2時間かけてやってきてくれました。 毎年スペインに来て思うことは、スペインの人は本当に人懐っこくて、人を大事にしてくれるということです。(逆もまた強いんですが。。。)例えば、4年前におぶぶのインターンプログラムを卒業したフェルナンドは毎年顔を出してくれるし、4年前にマドリードでのイベントに参加してくれた方は、はるばる京都和束の茶畑まで来てくれました。 もっというならば、国際日本茶協会の創立メンバーであるアンナは、5年前のマドリードでの日本茶イベントの懇親会に来てくれて、それがきっかけでおぶぶのインターンプログラムに参加し、毎年ユーロツアーをマドリードでサポートしてくれていて、ついには一緒に国際日本茶協会を立ち上げるに至りました。 今日の出会いがこれからなにがどのようにつながっていくのか、本当に楽しみなところです。 参加してくださった皆さま。毎年、会場をご提供くださっているマドリード文化センターの里沙さん、ひろかさんはじめ皆様、本当にありがとうございました。

日本茶セミナー in ハーグ(オランダ)

この日は、オランダの首都デン・ハーグにあるインターナショナル・ティー&コーヒー・アカデミー(ITC)にて、日本茶セミナーを開催させていただきました。 今年のヨーロッパツアーの特徴の一つに参加者の方がとても少ないという悲しいものがあります。いつものことですが、集客はホストに完全にお任せしているのですが、今年はどこも軒並みに集まってくださる人数が少ないのです。涙 その理由は、ホスト側にあるのではなく、明らかにこちらの問題なのだなあと深く反省しております。理由は明確なのですが、国際日本茶協会はまだまだ無名の存在でしかないということです。 今年から海外ツアーは国際日本茶協会のクレジットで回らせていただいています。その結果、国際日本茶協会がまだまだ知られていないためにとてもマニアックな方が集まってくださったというのが今年でした。 集客人数は多いと確かに盛り上がります。過去にリヨン第3大学やロンドンのジャパニーズソサイエティで開催させていただいた際には、100人以上がお集まりくださり、さて一体どうしてお茶をお出ししようかというような基本的なところでうれしい悲鳴という状況もありました。(すごくエキサイティング!) ですが、人数が多いと当たり前の話ですが、お一人ずつとお話しすることは不可能です。しかし人数が少ないとじっくりいろんなお話をさせていただく事が可能です。 ちなみに今回のホスト、ITCさんとは、過去5年に渡り、毎年訪問させていただだいており、これまでにのべ200人以上の生徒さんに日本茶をご紹介させていただきました。しかし、これまでは忙しすぎてITCの代表のリチャードさんとじっくり話す機会がほとんどありませんでした。 今回、少人数であったこともあり、じっくりお話しする事ができ、今後の話もたっぷりする事ができました。 と前置きがかなり長くなりましたが、この日の日本茶セミナーでも6種類以上の日本茶を飲んでもらい、色々な濃いお話をさせていただきました。 毎年ちがってて、それぞれに意味があるのだなあと思う今回のITCでの日本茶セミナーでした。 来てくださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。