第7回阪神日本茶フェスレポート
2026年5月27日から6月1日まで、大阪・梅田の阪神百貨店で「第7回 阪神 日本茶フェス」が開催されました。 本イベントは、埼玉県の老舗茶舗・松澤園の三代目店主である松澤さんがプロデュースを手がける人気イベントで、日本茶ファンにとって毎年恒例の催しとして定着しています。例年、新茶の季節である初夏に開催されるのが特徴です。 今年のテーマは「お茶で楽しむ自分時間」。会場では、その年に摘まれた新茶はもちろん、近年注目を集めている番茶や和紅茶、国産烏龍茶など、さまざまな日本茶が紹介されました。さらに、出店者が厳選したお茶に合うスイーツや、多彩な茶器も並び、自宅でのお茶時間をより豊かに楽しむためのヒントが詰まった内容となっていました。 会場には、関西をはじめ全国各地から個性豊かな茶農家や茶舗が集結。萎凋煎茶のペアリング体験や和紅茶の飲み比べ、ほうじ茶の焙煎体験など、さまざまなワークショップも開催され、多くの来場者で賑わっていました。 私たちも毎年楽しみにしているイベントですが、週末は非常に混雑することが多いため、今回は平日に訪問しました。おかげで比較的ゆっくりと会場を回ることができました。それでも、どのブースでも気軽に試飲を勧めてもらえ、ほとんど立ち止まるたびにお茶を味わうことができました。 新茶シーズンならではのイベントということもあり、全国各地の採れたての新茶を飲み比べられるのは大きな魅力です。一方で、岡山県の美作番茶や埼玉県の萎凋煎茶など、普段はなかなか出会う機会の少ない地域のお茶に出会えるのも、このイベントならではの楽しみでした。 特に印象に残ったのは、岡山県の「小林芳香園」のブースです。名物の番茶に加え、関西ではあまり見かけることのない四国のお茶も取り扱っており、いくつか試飲した結果、高知県産のお茶を購入しました。ブースには岡山を代表する伝統工芸である備前焼の茶器も展示されており、お茶だけでなく地域の文化やものづくりにも触れられる内容となっていました。 今年のフェスで特にユニークだったのは、焼き芋スイーツ専門カフェと出店茶舗によるコラボレーション企画です。会場内のカフェでは、いくつかのスイーツに対して相性の良い日本茶が提案されており、実際にペアリングを楽しんだあと、そのお茶を会場内の生産者ブースで購入できる仕組みになっていました。さらに、ドリンクに使用されていた茶器も、会場に出店していた美濃焼の窯元のもの。実際に使い心地を確かめながら、お茶と茶器の両方を体験できるのも魅力でした。 私たちは、コーヒー風味のバターサンドと静岡県産の深蒸し茶の組み合わせを選びました。スイーツはティラミスを思わせるような味わいで、クッキーの間にはクリームとコーヒーでコーティングした干し芋がサンドされています。一見するとコーヒーと深蒸し茶は意外な組み合わせにも思えますが、実際に合わせてみると違和感はまったくありません。クリームや干し芋のやさしい甘さが深蒸し茶のまろやかな旨みと見事に調和し、とても自然で完成度の高いペアリングでした。 売茶中村のブースでは、ひときわ個性的な新作の抹茶にも出会いました。ナッツを思わせる香ばしい香りが印象的で、飲んでみると焙煎由来の風味がしっかり感じられます。それでいて、焙煎茶にありがちな茶色ではなく、美しい緑色を保っているのが特徴的でした。スタッフの方によると、特にミルクとの相性が良く、抹茶ラテにするとその魅力がより引き立つそうです。 今年は茶器の出店も充実していました。なかでも印象的だったのが、作家ものの茶器を数多く扱う「急須と器 いそべ」です。商品を展示するだけでなく、実際に急須へお湯を注いで使い心地を試せるようになっており、持ちやすさや重心、注ぎやすさなどを自分の手で確かめることができました。購入前に実際の使用感まで体験できるのは、とても貴重な機会だと感じました。 阪神日本茶フェスの魅力は、お茶を買うことだけではありません。お茶を味わいながら生産者や専門家と直接話し、お菓子とのペアリングを楽しみ、新しいお茶や作り手との出会いを楽しめることにあります。「少し見るだけ」のつもりで訪れても、気がつけばたくさんのお茶や茶器を抱えて帰ってしまう――そんな魅力にあふれたイベントです。 このイベントは毎年、新茶シーズンに開催されています。これから初夏に大阪を訪れる予定のある日本茶好きの方は、ぜひ旅の予定に加えてみてはいかがでしょうか。 最新の開催日程や出店者情報は、公式SNSで随時発信されていますので、ぜひチェックしてみてください。 @chajin.matsuzawa / @hanshin_1ffoodevent








