バイオスティミラント資材の実証実験

バイオスティミラントって聞いたことがありますか? バイオスティミラントとは、植物に対する非生物的ストレスを制御することにより気候や土壌のコンディションに起因する植物のダメージを軽減し、健全な植物を提供する新しい技術です。 (日本バイオスティミラント協議会ホームページより) 現在の農業では、 ①優秀な作物遺伝子資源の開発:品種改良のこと②植物栄養の供給:肥料やりのこと③生物的ストレス(害虫、病気、雑草):除草、農薬散布のこと の制御が品質の良い農産物を生産する作業の中心です。 バイオスティミラントは、それらの3つに加えて、農作物が、発育の過程で受ける生物的ストレスおよび非生物的ストレスを軽減することにより、植物本来が持つポテンシャルを最大限引き出すことを目的とした考え方に基づいて、作られた資材です。 作物は、もともと、種の時点で、収穫時の最大収穫量が遺伝的に決まっています。ところが、発芽時や、苗の時期、開花期、結実期、収穫直前などに、病気や害虫(生物的ストレス)、高温や低温、物理的な被害(非生物的ストレス)により、本来、収穫できるはずだった収量が、非生物的ストレスと生物ストレス(下図の赤と白の)によって減少していくことを示したものが上図です。この減少量のことを、収量ギャップと表現します。このうち、非生物的なストレスによる収量減少を軽減することがバイオスティミュラントの役割です。 (日本バイオスティミラント協議会ホームページより) 今回、スペインの バイオベンチャー企業のバイオレゾン社と共同で、京都府和束町の茶畑にて、バイオスティミラント資材の実証実験をおこないました。 今回、使用したバイオスティミラント資材は、こちらのバイオ増強剤・Algafert。 このバイオ増強剤・Algafertにより、早春の凍霜害を防ぐことを目的としています。 作業自体は、農薬の噴霧とほぼ変わりません。 また散布後も特に変化はありません。(当然ですが。)今春の新芽が萌芽する頃になにか変化が生まれていたら、本当に素晴らしいです。

Meet The Tea Farmer(茶農家と出会う) –梶原敏弘さん

今シーズン最後の「Meet the Tea Farmer」イベントは、8月24日に開催されました。今回のゲストは、熊本県芦北地域にある小さな茶園「お茶のカジハラ」の3代目茶農家で代表を務める梶原敏弘さんです。梶原さんは主に釜炒り茶を生産しています。さらに中国や台湾へ渡り、釜炒り茶の製法を学んできました。有機栽培でさまざまなお茶を作っており、釜炒り茶だけでなく、和紅茶や烏龍茶も手がけています。お茶づくりを始めて40年になりますが、これまで一度も市場の茶取引(茶市場の競り)には出さず、常に直接販売を続けてきました。主な顧客は地元の人々です。 今回のイベントでは、2種類のお茶を試飲しました。香駿(こうしゅん)品種の爽やかな釜炒り茶と、釜炒り茶を焙煎して作ったユニークなほうじ茶です。 最初のお茶は、春摘みの香駿による釜炒り茶。とても個性的な品種です。ミルキーと表現する人もいれば、スモーキーと言う人もいますが、梶原さんはハーブのようなニュアンスがあると考えています。淹れ方は、茶葉3gに対して100mlのお湯(80〜90℃)で1分間抽出。すぐに釜炒り茶の特徴のひとつが分かります。抽出液の色が非常に澄んで明るく、煎茶など他の日本茶とはかなり異なります。参加者はこのお茶をとても気に入り、バランスが良く、中国茶に似ていると感じました。それには理由があります。梶原さんは中国や台湾へ渡り、現地の製茶方法を学んだからです。特に最初の工程である「酸化を止める工程」について多くを学びました。その方法は日本のやり方とは大きく異なります。学んだことを取り入れて製法を変えた結果、味わいはよりクリアに、香りもより強くなりました。 梶原さんは春の新芽は緑茶(釜炒り茶)にのみ使用し、その後の葉は和紅茶など別のお茶に使います。また、工場や使用している機械も見せてくれました。特に珍しいのは、小型で古い火入れ機。現在ではほとんど使われていない機械です。時には熱が逃げないように蓋をすることもあるそうです。 梶原さんの茶畑には「山茶(やまちゃ)」と呼ばれる野生に近い茶樹もあります。手入れが難しく、収量も多くありません。機械摘みも不可能です。これらの樹は樹齢100年以上。おそらく父親が茶業を始めた頃にはすでに存在していたため、どれだけ手間がかかっても作り続けたいと感じているそうです。自然に種から育った強い樹で、生命力にあふれています。また、在来種(種から育てた茶樹)も多く残しています。この地域は斜面が急で(最大30%の傾斜!)、植え替えが難しかったため結果的に在来を維持してきました。しかし近年、在来種の人気が高まっており、残してきて良かったと感じているそうです。 2つ目のお茶は、一番茶を使ったほうじ茶で、複数品種と在来種をブレンドしています。萬古焼の茶器で淹れ、茶葉3gに対して100mlのお湯(90〜100℃)で30〜40秒抽出します。焙煎によって非常にスモーキーな香りが立ちます。先ほどの古い火入れ釜を使用しているため、香りがより強く感じられるのかもしれません。しかし味わいはとても甘く、参加者は驚いていました。梶原さん自身は、夕方や食後にこのお茶を飲むのが好きだそうです。さっぱりしていてリフレッシュできるとのこと。冷茶にもおすすめだそうです。 最後に梶原さんからメッセージがありました。 世界中の皆さんと出会えたことに心から感謝していること、そしてまた会える機会を楽しみにしていると語ってくださいました。梶原さん、ありがとうございました。

日本茶コース in 京都

  ついに京都で日本茶コースが再開されます!オンラインのみでの開催となっていた2年間の休止期間を経て、対面でのコースを再開できることを大変嬉しく思っております。そして、最初の京都市内での日本茶ファンデーションコースは8月9日~10日に開催されます。 ファンデーションコースは8時間のプログラムで、日本茶に関する知識を深めるだけでなく実際に体験する絶好の機会となります。コースでは、日本茶の歴史や生産方法からお茶の種類、成分に至るまで幅広いトピックを掘り下げます。また、抹茶、玉露、煎茶、ほうじ茶など、人気の日本茶を多数淹れて味わうこともできます。 より距離の近い体験と質疑応答の機会を提供するため、通常は少人数制で実施しています。これまでに日本国内、世界各地、オンラインで延べ100名以上の受講生が修了しています。 日本茶について学び、京都で時間を過ごしたいとお考えの方へ、今が絶好の機会です。受講申し込み受付中!スタッフ一同、皆様とお会いできるのを楽しみにしております!    

新プログラム 日本茶エバンジェリスト

ここ日本において日本茶はもはや古臭いように思われ、若者に至っては滅多に飲むことも、ましてや昔ながらの飲み方をすることもないという通説があります。若者世代にお茶をより身近に感じてもらう必要があることは明らかです。そこで、私たちは新たな取り組みの一つとして日本茶エバンジェリストプログラムを立ち上げます。 本プログラムは今年海外に留学する日本の大学生を対象としています。学生らは留学の際、自国の文化を他国学生に伝える大使の役割を担うことが往々にしてあります。しかし、日本人学生は自国文化について深く知らないという話をよく耳にするでしょう。日本茶は日本文化の非常に奥深い部分にあるため、学生らが日本茶について学び、留学先で発信できるよう取り組みます。この2つの活動を通じて、世界中の学生から日本茶への関心を集め、同時に日本の学生たちにも改めて日本茶への関心を持ってもらえるよう願います。 今年は世界各国に留学予定の学生を20人集めることを目標にしています。今年留学を予定しており、本プログラムに関心がありそうな日本人学生をご存知であれば、ぜひ特設ページもご覧ください。

GJTea 3周年!

1月29日、私たちは協会設立3周年を迎えました。月日が経つのは早いもので、その道のりは本当に険しいものでした。荒波の時期は続きますが、私たちは一旦立ち止まり、長年にわたって私たちをサポートし、励ましてくださった全ての皆さまに感謝したいと思います。   真にグローバルな組織として、私たちは日本での対面のイベントと並行し、様々な国に散らばる皆さんに向けたオンラインイベントの両方を開催することに決めました。時間帯によっては早朝や深夜になることもありましたが、茶農家、茶商、お茶の先生、そしてもちろんお茶を愛する人たちなど、さまざまなバックグラウンドを持つ約40名のメンバーが集まりました。   京都の和束町に直接集まったメンバーから、オンラインで参加したメンバーまで、まずはご挨拶するところからイベントははじまりました。続いて、表千家茶道家元のアルバさんによる素敵なサプライズ。彼女による美しい茶道のデモンストレーションの披露を見た後、和束町に集まった人たちは抹茶と茶花をかたどった地元のお菓子を楽しみました。   抹茶でリフレッシュし、元気を取り戻した私たちは、過去3年間の活動の進捗を振り返り、将来のビジョンを共有し、現在のプロジェクトを発表しました。協会が設立され、エネルギーと熱意に満ちていた2019年、私たちは和束で日本茶マスターコースを2回開催し、20名の受講生を迎えることができました。そしてわずか数カ月後の2019年10月、私たちのチームはヨーロッパ(ドイツ、フランス、イギリス、スペイン、ベルギー、オランダ)にも赴き、お茶のワークショップやイベントを開催しました。この旅で、私たちはメンバーシップ・プログラムも立ち上げ、最初のファウンデーション・コースを対面で開催しました。私たちは来年への熱意と希望に満ち溢れていました。   しかし2020年になり、パンデミックによってすべての計画が覆されました。マスターコースも、海外出張も、無し。しかし、私たちは落胆することはありませんでした。日本茶が世界でどれだけ多くの人に愛されているかを目の当たりにし、日本茶の生産者の力になりたいと思いました。そこで、私たちは活動をオンラインに移行することにしました。2020年3月、毎月1回開催している「メンバー茶会」、2020年4月、数回開催している公式の「お茶会」、そして2020年7月には各地の茶農家を招き、茶畑やお茶を紹介する「茶農家さんとの出会いイベント」を開始しました。そして2020年10月、しばらくは参加者を日本に招くことができないと考え、ファウンデーションコースのオンライン開催も開始しました。   2021年には、これらの活動の多くを継続しました。さらに2021年3月には、次の第2レベルである、中級コースのオンライン開催も開始しました。そしてもちろん、2021年東京オリンピックの期間中、最大の活動である、15日間にわたって日本の15のお茶の産地を紹介する「日本茶マラソン」を行いました。記念イベントに参加した多くの方々から、日本茶マラソンが最も印象に残ったという感想をいただきました。   今後の展望はといいますと、協会としては、日本茶の教育や体験の中心的存在として認知され、日本茶で世界がもっと平和になり、日本茶がもっと身近なものになるよう、お手伝いしていきたいと考えています。それに向け、国内と海外の両面からアプローチしたいと考えています。具体的には、世界の大都市と日本の茶産地に、お茶の講座やイベントを開催する「日本茶のカタリスト」が率いる日本茶の拠点を作り、地元の人々や観光客に日本茶の知識を伝えていきたいと考えています。   2022年というもっと近い将来の話ですが、私たちはいくつかの新しいプロジェクトにも着手しています。特に旅行が制限された世界的なパンデミックの時期、私たちはビジュアルコンテンツが本当に重要だと感じたため、ビデオコンテンツにさらに力を入れていくつもりです。ユーチューブ・チャンネルを利用して、日本のお茶の産地やお茶の種類を動画で紹介していきたいと考えています。そして最終的には、日本茶のドキュメンタリーを作りたいと思っています。現在のプロジェクトは、それに向けて技術を身につけ、映像を集めるための素晴らしい訓練にもなると思っています。   もうひとつ重要なのは、日本や海外でお茶を愛する若い世代を育てることです。それを念頭に置き、私たちは海外に留学する日本の大学生に焦点を当てた、日本茶エバンジェリストのプロジェクトに取り組んでいます。彼らに日本茶について教え、必要なお茶キットを提供することで、彼ら自身が日本茶への関心を深め、日本茶を世界に広める一助になればと考えています。    この荒波の時期は厳しい日々が続いています。しかし、私たちのマインドは前へと進んでいます。まずは3周年、そしていつか30周年も祝うことができますように!

国際お茶の日 2021

2019年、国連は5月21日を「国際お茶の日」と定め、茶の重要性への関心を高め、その長い歴史と世界における深い文化的・経済的意義を強調しました。国際お茶の日は2020年に初めて制定され、今年は2回目となります。 国際お茶の日を記念し、今年5月21日に国連食糧農業機関(FAO)は世界各国の代表者とオンライン会議を開催しました。 FAOのク・ドンユ事務局長による開会宣言の後、アゼルバイジャン、中国、イタリア、ケニア、モーリシャス、インドなど複数国の代表者による挨拶が続きました。 イベントの最後には、茶生産国と茶消費国の専門家によるパネルディスカッションが行われ、気候変動、有機栽培、消費拡大のためのプロモーションなどについて議論が交わされました。 当協会も茶への敬意を表し、特別オンラインイベントを開催しました。ティーフェローやティーカタリストと共に国際お茶の日を祝いました。三大陸から参加した全員が活動について語り合い、この特別な日を祝してお茶で乾杯した後、最も印象深かったお茶の体験を共有する参加者もいました。 来年も皆様と共に祝えることを願っております。

日本茶マラソン 2021

皆さんご存知かもしれませんが、東京では今年2020年の夏、二度目のオリンピックが開催されます。私たちもオリンピックのスポーツスピリットに触発され、並行して「日本茶マラソン」を開催できることを嬉しく思います! 「日本茶マラソンとは?」と疑問に思われるかもしれません。マラソンは代表的なスポーツですが、確かに持久力と粘り強さが求められます。そこで本イベントは、オリンピック開催期間中(7月23日~8月8日)にオンラインで開催され、15日間にわたり日本の15の茶産地を紹介するものです。日本茶を南から北へ、東から西へと追求するこの上ない機会です! 一連のオンラインイベントでは、15の茶産地を深く掘り下げ、現地で働く日本茶関係者との交流の機会をご提供します。参加は完全無料で、さらに先着200名には、各産地から2種類ずつ計30種類の茶葉セットをプレゼントします! 登録受付はもう開始しています。日本茶があなたをお待ちしています!

日本茶中級コース オンライン開講スタート

お茶への関心が高まる一方で、パンデミックの影響で対面での茶道学習は大きく制限されてきました。幸い、オンラインでの学習は依然として可能です。 2020年10月、当財団はレベル1「日本茶基礎コース」のオンライン開講を開始し、これまでに16名の受講生が修了しました。 この度、2021年3月よりレベル2「日本茶中級コース」のオンライン開講も開始できることを大変嬉しく思います。 基礎コースでは日本茶の生産や歴史、主要な日本茶の種類と淹れ方といった確かな基礎知識を提供します。一方、中級コースでは日本茶産業と文化に対するより広範な理解を深めます。受講生の皆さんはまた、あまり知られていない日本茶を実際に味わいながら学ぶ機会も得られます。 中級コースは3月17日に開講します。そこで初回の受講生を迎えることを楽しみにしております。