GJTea 2周年

1月31日、私たちは2周年を迎えます!新しい組織としての最初の数年は、決して楽なものではありませんでした。パンデミックが世界を席巻する中、昨年は色々な紆余曲折がありました。しかし、グローバルなコラボレーションを通じて日本茶の世界に新たな成長をもたらすというミッションに導かれ、私たちのチームは手を緩めることなく、より一層努力を重ねてきました。   今年は、コミュニティ形成、情報共有、教育を中心とした活動の継続と拡大を目指しています。昨年より、日本茶事情を概観し、その時々のトレンドトピックを紹介する日本茶レポートを毎月発行しています。日本茶業界の中核組織として130年以上の歴史を持つ日本茶中央機構とより緊密な関係を築くことで、日本茶に関するより深い洞察に富んだ情報を共有できると考えています。   教育の面では、昨年はパンデミックの影響を大きく受けたプログラムもありましたが、日本茶基礎講座オンラインコースのような新しいプログラムも始まりました。今年もオンライン教育プログラムの継続と拡大を計画しています(日本茶中級オンラインコースは近日開講予定!)。もちろん、パンデミックが落ち着き、旅行が安全にできるようになり次第、日本茶マスターコースのような対面式の教育プログラムも再開する予定です。   世界の日本茶コミュニティ(そこのあなた!)が私たちの協会のバックボーンですので、今年は日本の様々な地域のお茶の生産者だけでなく、世界中のお茶の専門家や愛好家にもっと参加していただくことを目指しています。直接お会いすることはまだ難しいので、お茶の集いや茶農家との交流イベントなど、ほとんどの活動をオンラインで継続する予定です。   私たちにはたくさんの計画やアイディアがありますが、そのどれもが皆様なしには成り立ちません。皆様の変わらぬご支援に感謝し、皆様と一緒に3年目を迎えられることをとても楽しみにしています!   シモナ・スズキ GJTea代表

日本茶の味は地域で変わる

日本茶の味と聞いて、真っ先にイメージする物とは何ですか? 出汁の様な旨味? スッキリとした苦さ? それとも渋―い、田舎の爺ちゃん婆ちゃんの家で出されるような味? 日本茶の味は、旨味、甘み、苦味、渋みの4つに大きく分かれますが、どの味を追求するかは生産する地域や栽培の仕方によってバラバラです。そして特に大事な事は「○○県のお茶はこういう味だと自分は知っている。だから○○県のお茶なら何でもいい」という考えは不適切であり、そういう思い込みは「どうして俺はこんな物を買ってしまったんだ・・・」と後悔する結末になりがちです。 自分が住んでいる静岡県のお茶を、例として説明します。静岡のお茶の傾向は、地域によって大きく二つに分かれます。今回は代表例として本山茶と、牧之原茶を挙げます。 ●本山茶:本山は静岡市の山間部、藁科川と安倍川の上流域 足久保一帯にある地域で生産されたお茶です。 深山幽谷、茶幻郷、皆さんがイメージする ザ・茶畑 そのまんまの光景が広がっています。静岡駅から車で20分あれば行ける場所なので静岡による機会があれば是非どうぞ。本山茶の特徴は「旨味」または「甘味」の味が先に来て、後味は「苦味」があり、蒸し方は浅蒸し~中蒸しの傾向があります。「お茶自体が持つ風味を極限まで追求したお茶」だと言われています。火香については茶問屋の火入れ具合にもよりますが、自分の経験だと 1000円/100 g辺りだと火香が感じられ、1500円/100 g以上だと殆ど火香は無く、青葉or海苔の香りがしました。本山茶は食事と一緒に飲むよりはお茶の時間に絞って飲んだ方が楽しめると思います(自分は四六時中飲んでいますけれど) ●牧之原茶:牧之原は明治時代に開拓された少し高い台地の上に広がる巨大な茶産地のお茶です。晴れた日に行くと「太陽、空、緑色」の世界です。カテキンが充満しています。牧之原茶の特徴は山間よりも強い日差しの下で育つ為、葉が硬い事です。その為、本山茶と同じ浅蒸し製法では、ゲキニガの液体しか出来ません。よって蒸し時間を長くした中~深蒸し製法を行うか、寒冷紗などで覆いを被せるなどの工夫を重ねて作られています。「作り手の意思に合わせて改良を加えたお茶」だと言えます。その為、濃い旨味を持つ場合もあれば、苦味と渋みだけのお茶もあるなど、豊富なバリエーションを持っています。ただし、全体的にパンチの効いた味なので、空きっ腹で飲むと大抵後悔します。食事の後に飲むか、紅茶と同じようにお茶菓子をお供に飲む事をお勧めします。上の二つはいずれも静岡県を代表する産地のお茶です。同じ県内でも大きく個性が分かれているという事が伝わったでしょうか? 付け加えて言うと、お茶の味は生産者の育て方、茶問屋がどう手を加えたかで更に変化します。産地だけでお茶を選ばず、生産者の発信する情報、売る人の商品説明、そしてできれば適切な淹れ方で淹れたお茶を試飲してから購入する事を自分はお勧めします。 伊澤龍一

100人のパイオニア・メンバー

現在、「パイオニア・メンバー」100名を募集しています! メンバーシップ・プログラムは私たちの組織の中核的存在です。世界中とのコラボレーションを通じ、日本茶の世界に新たな成長を呼び起こすという私たちの使命を果たすうえで、重要な役割を担っています。コラボレーションを通して団結することで、国内での日本茶需要の減少や、海外での日本茶へのアクセスの悪さなど、国内外で日本茶が直面している様々な課題に、私たちが一丸となって取り組むことができると信じています。 多くのメンバーが変革の起爆剤となり、日本茶業界に新たな活力をもたらすことができると信じ、2019年10月よりメンバーシップ・プログラムを開始しました。その後、約100名の方に有料・無料会員として登録していただき、今では約1000名の方に当協会のネットワークに所属していただいています。 この度、新たにパイオニア・メンバーを募集します。ティーフェローまたはティーカタリストレベルで入会された最初の100名の方には、日本茶界の変革を牽引し、支えた最初のメンバーであることを示す「パイオニアメンバー」のステータスを贈呈します。 パイオニアメンバーは、ティーフェロー、ティーカタリストとしての特典に加え、パイオニアメンバーボードにプロフィールを掲載し、ウェブサイト上で詳細な活動を紹介することができます。一例として、パイオニアメンバーであるドイツのHorenso Consultingからきた Susanneと、スウェーデンにあるJapanese Tea Hubからきた Xeniaの記事を是非ご覧ください。   パイオニアメンバーとしてのご参加をお待ちしております!

しぼりだし

先日、日本の伝統的な茶器で「しぼりだし」という物を、滋賀県の「信楽」という場所で買ってきました。しぼりだしの起源は急須より古く、中国の蓋碗から進化したらしいです 「お茶のエキスを最後まで絞り出せる」から「絞り出し」という名前がついたとの事。自分が買ってきたのはこの二つ その表面はツルツルした箇所とざらざらした箇所の二つに分かれていて、特にざらざらした部分は、フタの滑り止めの役割も果たしている。機能的! 信楽はたぬき人形でお馴染みの焼き物の街ですが、しぼりだしはこの街でも数が少ない茶器なので、何軒かお店を回って、やっと買えました! 伊澤龍一