日本茶中級コース オンライン開講スタート

お茶への関心が高まる一方で、パンデミックの影響で対面での茶道学習は大きく制限されてきました。幸い、オンラインでの学習は依然として可能です。 2020年10月、当財団はレベル1「日本茶基礎コース」のオンライン開講を開始し、これまでに16名の受講生が修了しました。 この度、2021年3月よりレベル2「日本茶中級コース」のオンライン開講も開始できることを大変嬉しく思います。 基礎コースでは日本茶の生産や歴史、主要な日本茶の種類と淹れ方といった確かな基礎知識を提供します。一方、中級コースでは日本茶産業と文化に対するより広範な理解を深めます。受講生の皆さんはまた、あまり知られていない日本茶を実際に味わいながら学ぶ機会も得られます。 中級コースは3月17日に開講します。そこで初回の受講生を迎えることを楽しみにしております。

GJTea 2周年

1月31日、私たちは2周年を迎えます!新しい組織としての最初の数年は、決して楽なものではありませんでした。パンデミックが世界を席巻する中、昨年は色々な紆余曲折がありました。しかし、グローバルなコラボレーションを通じて日本茶の世界に新たな成長をもたらすというミッションに導かれ、私たちのチームは手を緩めることなく、より一層努力を重ねてきました。   今年は、コミュニティ形成、情報共有、教育を中心とした活動の継続と拡大を目指しています。昨年より、日本茶事情を概観し、その時々のトレンドトピックを紹介する日本茶レポートを毎月発行しています。日本茶業界の中核組織として130年以上の歴史を持つ日本茶中央機構とより緊密な関係を築くことで、日本茶に関するより深い洞察に富んだ情報を共有できると考えています。   教育の面では、昨年はパンデミックの影響を大きく受けたプログラムもありましたが、日本茶基礎講座オンラインコースのような新しいプログラムも始まりました。今年もオンライン教育プログラムの継続と拡大を計画しています(日本茶中級オンラインコースは近日開講予定!)。もちろん、パンデミックが落ち着き、旅行が安全にできるようになり次第、日本茶マスターコースのような対面式の教育プログラムも再開する予定です。   世界の日本茶コミュニティ(そこのあなた!)が私たちの協会のバックボーンですので、今年は日本の様々な地域のお茶の生産者だけでなく、世界中のお茶の専門家や愛好家にもっと参加していただくことを目指しています。直接お会いすることはまだ難しいので、お茶の集いや茶農家との交流イベントなど、ほとんどの活動をオンラインで継続する予定です。   私たちにはたくさんの計画やアイディアがありますが、そのどれもが皆様なしには成り立ちません。皆様の変わらぬご支援に感謝し、皆様と一緒に3年目を迎えられることをとても楽しみにしています!   シモナ・スズキ GJTea代表

2020年の振り返り

もうすぐに2021年を迎えようとしていますね。誰も想像することが出来なかった2020年を最後に振り返ってみましょう。   2020年の1月末に私たちは当協会の1周年記念を祝い、これからの新しい1年に期待で胸を膨らませていました。そしてたくさんの活動やプロジェクトを計画していました。(日本茶のマスターコースや海外での日本茶ツアーなど)。   しかし、そのあとすぐに新型コロナウイルスの感染拡大とパンデミック宣言によってすべての計画を変更・中止しなくてはならなくなりました。感染の拡大と国境封鎖によって、私たちは海外から学生を日本に招くことが出来なくなり、日本茶のマスターコースはすべて中止せざるをえませんでした。さらに、2019年に行ったヨーロッパへの日本茶ツアーのように海外での活動も不可能になり、早い段階で断念を余儀なくされました。   一方で、パンデミックによって私たちは新しい方法を開拓することが出来ました。2020年は国際的な移動が困難になるだろうということが早い段階からわかったため、オンラインでの活動に移行することに決めました。その結果、コミュニティの構築や日本茶の教育に関する新しい取り組みがいくつか誕生しました。 4月から、だれでも自由に参加できる「グローバルティーパーティー」というオンラインのイベントを開始しました。4月から9月の間に6回開催し、日本国内外の茶農家、茶道の先生、お茶のスペシャリストの方々と共にオンラインでつながりながら日本茶を楽しみました。参加者は18の国と6の大陸から合計138名にものぼり、まさにグローバルなイベントになりました!   5月には「ライブジャパニーズティーセッション(日本茶ライブセッション)」にて茶の専門家のライブインタビューを行いました。12月までに、日本茶の促進や拡大を行っている茶の専門家を6人招き、日本茶への情熱や活動、今後の展望についてお話しいただきました。これまでのゲストには、日本茶ハブのXeniaさん、Horenso ConsultingのSusanne さん、Hojicha.coのFrancoisさん、元観光ホスピタリティ教授のLeeさん、Parlor TeaのBonnieさん、そして最近ではYunomi.lifeのIanさんが登場しました。   また、関係を気づく中で実際に顔を合わせることの重要性を認識し、「Meet the Tea Farmer」 というイベントを開催しました。茶の専門家や茶愛好家にとっては、自分が好きなお茶を作っている農家に会うことが出来る機会となり、茶農家にとっては、海外の消費者の声を直接聞く貴重な機会となりました。7月の初回開催から11月までの間に、日本の3つの違う地域から5人の茶農家の方々、静岡の渡邉 潤さん、京都の森崎 領さん、上嶋 伯協さん、細井 […]

日本茶の味は地域で変わる

日本茶の味と聞いて、真っ先にイメージする物とは何ですか? 出汁の様な旨味? スッキリとした苦さ? それとも渋―い、田舎の爺ちゃん婆ちゃんの家で出されるような味? 日本茶の味は、旨味、甘み、苦味、渋みの4つに大きく分かれますが、どの味を追求するかは生産する地域や栽培の仕方によってバラバラです。そして特に大事な事は「○○県のお茶はこういう味だと自分は知っている。だから○○県のお茶なら何でもいい」という考えは不適切であり、そういう思い込みは「どうして俺はこんな物を買ってしまったんだ・・・」と後悔する結末になりがちです。 自分が住んでいる静岡県のお茶を、例として説明します。静岡のお茶の傾向は、地域によって大きく二つに分かれます。今回は代表例として本山茶と、牧之原茶を挙げます。 ●本山茶:本山は静岡市の山間部、藁科川と安倍川の上流域 足久保一帯にある地域で生産されたお茶です。 深山幽谷、茶幻郷、皆さんがイメージする ザ・茶畑 そのまんまの光景が広がっています。静岡駅から車で20分あれば行ける場所なので静岡による機会があれば是非どうぞ。本山茶の特徴は「旨味」または「甘味」の味が先に来て、後味は「苦味」があり、蒸し方は浅蒸し~中蒸しの傾向があります。「お茶自体が持つ風味を極限まで追求したお茶」だと言われています。火香については茶問屋の火入れ具合にもよりますが、自分の経験だと 1000円/100 g辺りだと火香が感じられ、1500円/100 g以上だと殆ど火香は無く、青葉or海苔の香りがしました。本山茶は食事と一緒に飲むよりはお茶の時間に絞って飲んだ方が楽しめると思います(自分は四六時中飲んでいますけれど) ●牧之原茶:牧之原は明治時代に開拓された少し高い台地の上に広がる巨大な茶産地のお茶です。晴れた日に行くと「太陽、空、緑色」の世界です。カテキンが充満しています。牧之原茶の特徴は山間よりも強い日差しの下で育つ為、葉が硬い事です。その為、本山茶と同じ浅蒸し製法では、ゲキニガの液体しか出来ません。よって蒸し時間を長くした中~深蒸し製法を行うか、寒冷紗などで覆いを被せるなどの工夫を重ねて作られています。「作り手の意思に合わせて改良を加えたお茶」だと言えます。その為、濃い旨味を持つ場合もあれば、苦味と渋みだけのお茶もあるなど、豊富なバリエーションを持っています。ただし、全体的にパンチの効いた味なので、空きっ腹で飲むと大抵後悔します。食事の後に飲むか、紅茶と同じようにお茶菓子をお供に飲む事をお勧めします。上の二つはいずれも静岡県を代表する産地のお茶です。同じ県内でも大きく個性が分かれているという事が伝わったでしょうか? 付け加えて言うと、お茶の味は生産者の育て方、茶問屋がどう手を加えたかで更に変化します。産地だけでお茶を選ばず、生産者の発信する情報、売る人の商品説明、そしてできれば適切な淹れ方で淹れたお茶を試飲してから購入する事を自分はお勧めします。 伊澤龍一

Meet The Tea Farmer –上嶋伯協

11月25日に開催された毎月恒例の「Meet the Tea Farmer(茶農家に会おう)」イベントでは、ゲストとして京都・和束町の5代目茶農家、上嶋伯協さんをお迎えしました。 上嶋さんは22歳のときに、父親の茶農家としての仕事を継ぐことを決意しました。しかしすぐに、それが簡単な仕事ではなく、必ずしも十分な収入が得られるとは限らない職業であることに気づきました。父親が長年してきたように茶市場の競りで販売するのではなく、彼はお茶を直接お客様に販売し始めました。自分のお茶を人々が楽しんでいる様子を直接見ることができるのが好きだからです。伝統的に彼の家では煎茶のみを生産していましたが、約15年前、和束町でまだほとんど抹茶生産が行われていなかった時期に、碾茶の生産も始めました。現在では、生産の内訳は煎茶が30%、碾茶/抹茶が70%となっています。イベントでは、参加者全員で彼の抹茶1種とほうじ茶1種を試飲しました。 上嶋さんは4種類の抹茶を生産しており、今回試したものは「風」と名付けられています。これは「さみどり」品種の薄茶用グレードで、京都原産の品種です。特徴はクリーミーさと、ほのかにフルーティーな味わいです。   彼は抹茶の点て方も紹介してくれました。まず、使う予定のお湯の3分の1だけを抹茶に加え、茶筅でゆっくり混ぜます。これはダマを溶かすのに役立ちます。その後、残りのお湯(約50ml)を熱い状態で加え、10~15秒間点てます。出来上がった抹茶は甘みがあり、まったく渋みがありませんでした。参加者の一人、パウラさんは、この名前はぴったりだと言いました。飲んだ後、口の中に旋風が巻き起こるように感じたからだそうです! もう一つ試したお茶は、二番茶の煎茶の茎から作られた、軽焙煎の茎ほうじ茶でした。上嶋さんは、より香りと味わいを引き出すために、沸騰したお湯で30~40秒抽出することを勧めました。このお茶は、実際にリッツ・カールトン京都のアフタヌーンティーでも提供されています。 お茶をすすりながら、会話はさまざまな話題や参加者からの質問へと広がっていきました。近年、日本での飲み方はどのように変化しているのでしょうか?ここ数年でペットボトルが一般的になり、伝統的な急須は一般家庭から姿を消しつつあります。上嶋さんのお気に入りの急須は?それはなんと、ご自身でデザインした宝瓶です(!!!)。濃茶と薄茶の違いは?なぜ日本の若者は家族の茶農家の仕事を継がないことを選ぶのでしょうか?茶農業は重労働であるため、若い世代は別の道を選ぶことが多いのです。しかし一方で、家族にお茶との関わりがなかった新しい人々が茶農業を始めたいと和束町にやって来ることもあり、上嶋さんはその一部の人々を指導しています。また、ここ5年間はベトナムにも赴き、現地で茶生産の指導を行っています。 こうした話題で盛り上がり、1時間半はあっという間に過ぎました。 上嶋さんのお茶は、オンラインショップ「上嶋爽禄園」で購入できます。 次回の「Meet the Tea Farmer」イベントは、お正月休みの期間を挟んだ後、2021年1月に開催予定です。次のゲストは、京都・和束町の三代目茶農家であり、「和束紅茶」の代表でもある杉本喜壽さんです。こちらのリンクからぜひご覧ください。 参加者と茶生産者の双方がどれほどこのイベントを楽しんでいるかを実感でき、私たちもとても嬉しく思っています。

オンラインでのJapanese Tea Foundation Course(基礎コース)の開始

お茶の教育はこの国際日本茶協会の核となる活動です。私たちはこの数年間お茶のコースを開催しており、現在は3つのレベルがあります。Foundation(基礎)、 Intermediate( 中級)and Master(上級)です。   最も良い学習方法は自分自身で経験することだと信じており、私たちは可能な限り実際に手を動かす経験を提供することを重視してきました。講座の多くは対面形式で行われ、マスターコースは“お茶の中心地”とも言える産地で実施しています。   しかし、2020年のパンデミックで私たちは方向性を調整し変更することを必要としました。たくさんの国で対面形式の活動が制限され、日本では海外からの入国が全面的に停止されたため、ほとんどの対面講座を一時中断することとなりました。   それでも、世界中の人々は日本茶を愛することや学ぶことへの情熱をやめることはありませんでした。会員からの熱意と後押しを受け、オンラインでの初級コースを開設できました。   2020年夏に試験的に実施し、同年10月に正式開講。全4回の講座では、日本茶の歴史、お茶の生産、茶の種類、そして淹れ方を学びます。受講生ができるだけ実践的に学べるよう、あらかじめ茶葉や茶器を含む教材セットを各自に送付しています。   10月末には、本オンライン基礎コースの初の修了生が誕生しました。5か国から8名の生徒が2つのグループに分かれて受講し、これまでのところ反応は非常に好評です。ロックダウンや隔離措置が続く中でも、オンラインで学ぶ機会を得られたことに感謝の声が多く寄せられています。

ノマドティーフェスティバル2020

10月24日・25日の週末に、Nomad Tea Festival Europe がオンラインで開催されました。 フェスティバルでは、参加者がさまざまなお茶の販売者をバーチャルに訪れ、直接チャットをしたり、お茶を見たり、プレゼンテーションを視聴したりすることができました。出展者の中には、日本茶の専門家が3組参加しており、Yunomi、Sono Organic、The Japanese Tea Hub が参加していました。 また、幅広いお茶の世界をテーマにした興味深いワークショップも数多く開催され、そのうち5つが日本茶に関する内容でした! 私たちの講演は「日本とヨーロッパのお茶」をテーマとし、Simonaがヨーロッパにおける日本茶の歴史、現在日本茶を多く輸入している国々、日本茶専門のショップやカフェについて紹介しました。また、現在この分野が直面している課題や困難についても言及しました。 日本茶をテーマとしたその他のワークショップは以下のとおりです。 「Japan, more than green tea(日本茶は緑茶だけではない)」  Casita de TéのPriscila […]

Meet The Tea Farmer(茶農家と出会う) – 栗原悠次

10月28日開催の月例イベント「農家さんとの交流会」では、福岡・八女で4代続く茶農家・栗原悠次さんをゲストにお迎えしました。 栗原さんは兄と共に家族経営の茶園を営み、玉露、煎茶、和紅茶、ほうじ茶、玄米茶など多様な茶葉を生産されています。そのいくつか、特に玉露は、伝統的な製法で栽培されており、天然の藁で覆いを施して手摘みで収穫されます。 イベントで、参加者は栗原さんの煎茶と玉露を試飲できました。煎茶は「やぶきた」品種で、樹齢16年の茶樹から作られています。摘み取りは旧暦88日目(茶摘みの最良期とされる日)に行われました。 煎茶を二度淹れた後、栗原さんの玉露を頂きました。これは特に特別な玉露で、2020年に福岡県大会で1位、全日本大会で2位を獲得しています。この玉露は、樹齢10年で最も生命力に満ちた茶樹から、30人の女性茶摘み手によって手摘みされました。参加者の一人は「味わいが非常に豊かで、口あたりが実際より強く感じられるほどだった」と語りました。 栗原さんの茶葉をお求めの方は、茶園「栗原製茶」のウェブサイトをご覧ください。次回ゲストは京都・和束町の5代目茶農家、上嶋伯協さんです。こちらのリンクからぜひご覧ください。