1月27日、再び「Meet the Tea Farmer」イベントを開催しました。今回は、京都・和束町の三代目茶農家であり、「和束紅茶」の代表でもある杉本喜壽さんをお迎えしました。イタリア、ポルトガル、オランダ、ベルギー、オーストラリア、アメリカなど、世界各地から多くのメンバーが参加しました。
杉本さんは煎茶、抹茶、和紅茶を栽培・製造していますが、特に和紅茶がお気に入りです。10年前に和紅茶に魅了され、生産を始めました。現在では数種類の和紅茶を作っています。さらに、日本ではあまり一般的ではない、ドライフラワーをブレンドした和紅茶まで手がけています。

イベントは、やぶきた品種と在来種をブレンドした和紅茶の試飲から始まりました。このお茶を淹れる際、杉本さんは急須ではなく、なんとガラス製のピッチャーと茶こしを使用しました。日常使いにはその方が簡単で、急須は頻繁に使うと(特に蓋が)割れやすいからだそうです。また、使用したカップも日本茶用としては少し珍しいもので、やや大きめで花のような形をしており、香りを感じやすいデザインでした。参加者たちは、このお茶を滑らかで軽やか、そして熱湯で淹れても自然な甘みがあると感じました。杉本さんは、2021年の一番茶では、このお茶をさらに香りに焦点を当てて仕上げたいと語っていました。試せる日が楽しみです!杉本さんは、このお茶の製造工程や工場、使用している機械の写真も見せてくれました。全工程は22時間に及び、そのうち18時間は萎凋に費やされるそうです。

2つ目に試したお茶は、農家自身が「ワズチャ」と名付けたもので、今回が初めての製造だったそうです。これは蒸し製の玉緑茶で、通常は日本の南部で生産されるお茶であり、京都府ではあまり一般的ではありません。杉本さんによると、玉緑茶はもともと中国由来の、丸くカールした形状のお茶で、歴史的には釜炒り製法で作られてきました。しかし現在では、煎茶のように蒸し製でありながら、針状に整形しないタイプの玉緑茶も存在します。このお茶を淹れる際には急須を使い、高めの温度で抽出しました。杉本さんは、高温のほうが香りをより感じやすく、渋みと甘みの両方を楽しめると説明しました。このお茶は甘みが強く、あまり苦くないため、この淹れ方でも楽しめます。杉本さんは、このお茶はとてもカジュアルに楽しめるものだとも述べ、食後にマグカップで飲むのも良いと提案しました。マグカップは日本的とは言えないかもしれませんが、特にパソコン作業をしながらお茶を飲むには便利で実用的だと思うとおっしゃっていました!試飲後には、杉本さんが栽培している茶畑の四季折々の写真も見せてくれました。なんと10種類もの品種を育てているそうです!

イベント中には、参加者から多くの興味深い質問がありました。中でも特にお茶マニアな質問として、「製造過程でどうすれば渋みを少なくできるのか?」という問いがありました。杉本さんは、これには2つの要因があると答えました。1つ目は栽培方法。肥料の施し方が最終的な味に直接影響します。2つ目は加工工程。茶葉を揉む段階で、茶葉の細胞壁から成分や汁が出てきます。白茶や碾茶のようにほとんど揉まないお茶は、味が非常に軽やかになります。揉むことで旨味も渋みも増します。しかし、より強く揉むと逆に渋みは減ることもあります。というのも、苦味の元となるカテキンが機械に付着しやすくなるため、強い揉みではカテキンの一部が茶葉から取り除かれるからです。

とても興味深いイベントでした。杉本さん、素晴らしい時間をありがとうございました!
春の一番茶に向けて茶農家の皆さんが集中できるよう、春休みに入る前にあと数回「Meet the Tea Farmer」を開催予定です。次のゲストは、京都おぶぶ茶苑代表の喜多章浩さんです。こちらのリンクからぜひご覧ください。

