2月22日、再び「Meet The Tea Farmer」イベントが開催されました。今回は、静岡県牧之原市の「牧之原山本園」5代目茶農家、山本守日瑚さんの登場です。山本さんは勝間田開拓茶農協にも所属しています。山本家についての興味深い点として、この地域で最初に茶栽培を始めた家系のひとつであることが挙げられます。1869年、多くの元武士たちが静岡に移り住み、未開拓地を農地として開拓しました。山本さんはその武士の系譜の子孫にあたります。
現在、山本さんは烏龍茶や和紅茶など、香り高いお茶を専門としています。さらに、非常に芳香豊かな新しい緑茶「かおり緑茶」も生産し始めました。そして、この日最初に試飲したのがそのお茶でした。

山本さんが「花ここち」と名付けたこのかおり緑茶は、一般的な日本の緑茶とは少し異なります。旨味よりも香りを重視しているため、熱湯で淹れることができます。おすすめの淹れ方は、茶葉3gに対して200mlの熱湯を注ぎ、45秒間抽出する方法です。これは通常の日本茶の淹れ方とはかなり異なります。それでも、しっかりした抽出条件にもかかわらず、お茶はとても甘くて美味しく仕上がりました。参加者全員が「とても素敵なお茶だ」と感じました。香りは非常にフローラルで、ジャスミンのようだと表現されることもあるそうです。二煎目も同じ温度で、抽出時間を短くすれば、まだ十分に香りを楽しめました。このお茶に対するお客様の反応について尋ねられると、山本さんは「普段あまりお茶を飲まない人ほど好む傾向がある」と話しました。味が穏やかで、香りが心地よく、淹れやすいからです。では、なぜまったく苦味がないのでしょうか?

山本さんは、収穫後すぐに加工するのではなく、このお茶では16時間の萎凋工程を行うと説明しました。萎凋の途中で軽く揉み・傷つける工程も交互に加えます。この工程によって渋みが取り除かれるのです。
他の発酵茶を作る際、山本さんはその工程のために3種類の異なる機械を使用しています。ひとつは芽や若い葉に使われるもので、内部に空気が循環する容器です(ゆっくりと萎凋させます)。もうひとつは、回転しながら葉を軽く傷つけ、萎凋させる機械です。常に動き続けるわけではなく、ときどき停止し、その間に空気が送り込まれて萎凋が進みます。これはより成熟した葉に使用されます。そして最後に、手摘み茶の萎凋には伝統的な籠も使用しています。

山本さんは紅茶にとってとても大切なのは香りで16時間から20時間加工に時間がかかるといいます。2つ目に試飲したのは「ほうじ香り紅茶」。ベニフウキ品種の夏摘み葉を使用し、軽く焙煎した紅茶です。甘い香りをさらに引き出すための焙煎です。淹れ方は、茶葉3gに200mlの熱湯を注ぎ、3分間抽出。まず急須やカップを温めてから淹れることで、花のような美しい香りを楽しめます。日本では紅茶自体がまだ一般的とは言えず、焙煎紅茶はさらに珍しい存在です。山本さんはどのようにしえてこのアイデアを思いついたのでしょうか?山本さんは焙煎が好きで、「紅茶を焙じたらどうなるだろう?」と考え、6年前に試したのが始まりでした。それ以来作り続けています。誰もがこのお茶はとても違っていて、とても良いと感じました。紅茶の味が確かにするが、かなり長く抽出してもそれでもより甘い、と言う人もいました。苦味は非常に控えめで、タンニンや渋みも他の和紅茶と比べるととても穏やかです。また、はちみつのような甘い後味があり、とても愛らしく繊細だと感じた人もいました。さらに、参加者の一人は、これら二つのお茶はどちらも烏龍茶を思い出させるとさえ言いました。そして実際のところ、葉を傷つける機械こそが、お茶に花のような香りを生み出しているのです。その香りは通常、烏龍茶に典型的なものです。

イベントでの会話はどれもとても面白く、山本さんは、アレルギーへの効果が期待されるベニフウキ品種を栽培し始めた経緯や、夏に葉をかじる小さな虫が軽い酸化をもたらすことについても語りました。さらに、山本さんがお茶をどのように紹介しているのかについても話しました。彼はよく品評会に参加しており、受賞すると、そのお茶を紹介しやすくなり、注目も集めやすくなるそうです。また、自分のお茶を海外でも楽しんでもらいたいと願っていますが、まだその機会は得られていないとのことでした。もしかすると、このイベントがその第一歩になるかもしれません。最後のメッセージとして、山本さんは、今日のイベント、そして参加してくれたすべての茶愛好家の皆さんに出会えたことに心から感謝していると話してくれました。自分のお茶2種類を皆さんと分かち合えたことをとても嬉しく思っており、これからもそれぞれがさらに多くのお茶を試してくれることを願っているそうです。まあ、私たち茶好きにとっては、それは難しいことではありませんよね?😉山本さん、貴重なお時間と素晴らしいお茶を本当にありがとうございました!
次回のゲストは、静岡県の3代目茶農家、土屋祐子さんです。こちらのリンクからぜひご覧ください。

