Meet The Tea Farmer(茶農家と出会う) –井上憲治さん

7月20日、「Meet the Tea Farmer」ウェブキャストシリーズにて、井上憲治さんをお迎えすることができました。

井上さんは佐賀県嬉野地域にある井上製茶園の4代目茶農家で、代表も務めています。また、嬉野茶をよりモダンでクールな形で発信している若手生産者グループ「嬉野茶時」のメンバーでもあります。井上さんは静岡でお茶の勉強をし、修了後に佐賀へ戻って叔父から茶園を引き継ぎました。現在は約3ヘクタールの茶畑を管理し、主に玉緑茶と釜炒り茶を生産していますが、ほうじ茶や和紅茶も少量手がけています。また、ミントや柚子など地元の植物でお茶に香りづけをするのも好きだそうです。

イベント当日は、井上さんのお茶を2種類試飲しました。つゆひかり品種の甘みのある玉緑茶と、玉緑茶と柚子をブレンドした爽やかなお茶です。

素敵な集まりでした!

まずは単一品種・つゆひかりの蒸し製玉緑茶から始まりました。この品種は日本各地で栽培されていますが、玉緑茶として仕上げられることはあまり多くなく、今回のお茶は特別なものです。井上さんは150〜200mlのお湯に対して3〜5gの茶葉を使い、70℃で1分間抽出することを勧めました。抽出中は急須を動かさないようにとのこと。そして、出来上がったお茶は4回に分けて少しずつ注ぎ分けます。井上さんが使っていたのは「ふたなし」と呼ばれる蓋のない急須。白く美しいこの茶器は、嬉野茶時によって企画され、地元で制作されたものです。ふたなし急須は茶葉の様子を見ながら淹れられるため便利で、内部にゆとりがあり、茶葉が水の中で自由に舞う様子がよく分かります。

このお茶は非常に鮮やかな色合いでした。試飲しながら、井上さんはつゆひかりについて説明してくれました。この品種は害虫に強いため、多くの農薬を使う必要がありません。静岡で育成された比較的新しい品種で、近年とても人気が高まっています。しかし流通量は多くなく、現在は静岡県外にはほとんど出回らないとのこと。井上さんが栽培しているのは幸運であり、私たちが味わえたのはさらに幸運です。この玉緑茶は5月3日に摘採され、約10日間被覆栽培された後に製造されました。浅蒸しを用いており、井上さんは、この品種は蒸しやすいため浅蒸しを好むとのこと。ただし、一般的には深蒸しとして仕上げられることが多い品種です。参加者はこのお茶を大いに楽しみ、上品で新鮮な香りと旨味を感じ、そばを思わせる風味もあると話していました。2煎目は熱めのお湯で淹れることを勧めました。成分が抽出されやすくなり、よりコクのある味わいになるからです。井上さんはこう言いました。

「一煎目をやさしく淹れれば、二煎目、三煎目もおいしく楽しめます。」

また、このお茶は冷茶にも向いており、「氷出し」もおすすめだそうです。

井上さんと、つゆひかり玉緑茶のアップ写真

2つ目のお茶は、玉緑茶と柚子のブレンドでした。井上さん自ら柚子を収穫し、皮をむいて乾燥させたそうです。添加物は一切なく、純粋な乾燥柚子皮のみを使用しています。玉緑茶には、つゆひかりとやぶきたをブレンド。柚子の香りに負けず、しかし調和するお茶を目指してこの2品種を選びました。

淹れ方は、茶葉5gに対し約150mlの水。お湯は65℃まで冷まし、柚子の苦味が強く出すぎないようにし、90秒抽出します。こちらも非常に美しい鮮やかな色合いでした。参加者は、柚子の爽やかさとお茶の旨味のバランスが素晴らしいと評価しました。このお茶も冷茶にすると、柑橘のフレッシュさと玉緑茶の旨味が見事に引き立ちます。

井上さんは次に「柚子ほうじ茶」を作る予定だそうです。

嬉野で釜炒り茶に使われる釜は、日本の他の地域のものとは異なり、床と平行ではなく傾斜しています。

試飲の合間には、佐賀茶や井上製茶園についても話しました。参加者からは多くの質問が寄せられ、玉緑茶と釜炒り茶の違い、茶器について、浅蒸しと深蒸しの違いなど、さまざまな話題が広がりました。

ありがとうございました、井上さん!また井上さんのお茶を味わえるのを楽しみにしています。