日本茶カンファレンス in 東京 2025

2025年の日本茶カンファレンスは、この取り組みが始まって3年目を迎えました。7月19日に東京で開催された今回のカンファレンスでは、日本各地で生まれる革新的なお茶のプロジェクト、国際的な日本茶コミュニティからのグローバルな視点、そして登壇者と参加者をつなぐ活気ある茶会という3つのテーマを中心に、多彩なプログラムが展開されました。 カンファレンスの中心となったのは3人の日本茶イノベーターによる発表でした。日本お茶割り協会の多治見智高さんは、お茶とお酒をブレンドして独自のカクテルを生み出す「お茶割り」のコンセプトを紹介しました。龍名館の濱田裕章さんはお茶をテーマにホテル業界におけるホスピタリティ体験を豊かにする可能性を探りました。Yunomi.lifeのIan Chunは、日本茶の輸出と、かつてない世界的な抹茶ブームについて語りました。 講演の後には、参加者と登壇者が直接交流できるリラックスした茶会が開かれ、厳選されたお茶を楽しむ時間となりました。発表者のブースに加え、日本茶エヴァンジェリストプログラムの学生たちも3つのブースを設け、来場者と積極的に交流しました。 続いてプログラムは国際的な視点に移りました。La Finestra sul TeのNicoletta Tulさんは、イタリアでの活動や日本茶に関する最新の動きを紹介しました。また、Chang Hyunheeさんは、韓国で日本茶がどのように受け入れられているかを語り、現地での普及活動を説明しました。さらに、日本茶エヴァンジェリストプログラムの学生たちも登壇し、2024年度卒業生3人がカナダ、アメリカ、中国での留学中に行ったお茶の活動を振り返りました。また、2025年度在籍の学生たちは、この秋に訪れる予定の国々を紹介しました。 東京でのカンファレンスは、新たな出会いとお茶の発見、そして未来への可能性を祝う活気ある場となりました。ご参加くださった皆さまに深く感謝申し上げるとともに、来年の日本茶カンファレンスで再び集えることを楽しみにしています。

日本茶カンファレンス in Kyoto 2025

2025年で3回目となる日本茶カンファレンスが7月26日に京都で開催されました。今年のプログラムは従来以上に充実し、日本における革新的なお茶のプロジェクトの紹介、世界の日本茶事情の概観、そしてプレゼンターと参加者の繋がりを深めるティーパーティという3つのパートで構成されました。 イベントは歓迎の挨拶で幕を開け、3人の日本茶イノベーターがプレゼンテーションを行いました。 辻せりか氏(AOBEAT)は、美しい茶席でお茶を楽しんでもらうための、屋外茶室「茶の間」づくりに取り組んでいることを紹介しました。静岡大学准教授の一家崇志氏は、新しいお茶の品種を開発するのに必要な時間を大幅に短縮することができる、お茶のDNAの研究について紹介しました。 最後に、宮崎県の茶農家で緑碧茶園の社長である興梠洋一氏が、北海道でのお茶栽培によって、その北限を押し広げるという先駆的な取り組みについて語りました。 これらの感動的な講演に続き、参加者が厳選された日本茶を楽しみながら、プレゼンターと直接会話する機会 を得られるティーパーティが開催されました。プレゼンターブースに加え、日本茶エバンジェリストプログラムに参加する日本の大学生が3つのブースを運営し、ゲストとの交流を行いました。 お茶会でリフレッシュした後には焦点が国際的なステージに移り、北米、ヨーロッパ、中東で活動する3人のティーカタリストによるプレゼンテーションが行われました。Ikigai-shuのViktoryia Toma氏は、UAEでの日本茶の普及活動と、そこで観測された関心の高まりについて共有しました。 Teakan社のJanice Chan氏はオンラインでカンファレンスに参加し、カナダでの抹茶とほうじ茶のトレンドの急上昇を強調しました。ベルギーのティーサークルからはオンラインでCinzia Merlin氏も参加し、現地での日本茶教育プログラムがいかに関心を高めているか説明しました。 イベントは、日本エバンジェリストプログラムに参加する大学生による発表で続きました。2024年度派遣生の3名が、イタリア、フランス、中国での留学プログラム中の日本茶活動について報告しました。その後、2025年度生の11名が、今秋訪問する予定の地を紹介しました。特に注目すべきは、過去のエバンジェリストの活動が、学生主導の日本茶サークル「Socie-tea」の設立につながったことで、カンファレンス参加者は過去1年間の彼らの活動について知ることができました。 このイベントは、日本茶を軸に、アイデアや物語、新たな繋がりが活発に交わされる場となりました。皆様の熱意に深く感謝し、来年の日本茶カンファレンスでまた皆様をお迎えできることを楽しみにしています。

日本茶マスターコース 2025年6月

2025年6月に日本茶マスターコースが再び開催されました。今回は、アメリカ、イタリア、オランダ、ポーランド、リトアニア、韓国、シンガポール、日本の8か国から12人の生とが集まり参加しました。   10日間にわたり、生徒たちは日本茶にどっぷりつかり、茶産業や茶の科学を教室で勉強したり、また近隣の町の様々な茶の関連施設を訪れました。このコースでは、伝統的な収穫方法や製造方法と近代的な技術の両方を経験する機会がありました。時折雨が降りましたが、意欲をそがれることなく、生徒たちは茶摘みを熱心に楽しみました。   生徒たちはまた、抹茶をつかった茶道だけでなく、あまり知られていない煎茶道の両方を経験することで日本茶の文化の深みに触れました。伝統的な陶器の町や茶筅で知られる町にも訪れました。   プログラムを通して、18人の講師が専門知識と熱意を惜しみなく共有しました。すでに日本に住んでいる生徒を含め、すべての生徒が、普段なかなか見ることのできない舞台裏の貴重な経験ができたことに感謝し、このコースに参加できたことを喜んでくださいました。今回得られた深い知識と理解が、今後どのように花開いていくのかが楽しみです。

国際お茶の日 2025

  お茶の豊かな文化的価値、経済的重要性、健康効果を称えるために国連によって制定された5月21日は、「国際お茶の日」として世界中で祝福されています。 私たちはGJTeaコミュニティとともにこの日を祝うため、日本、スペイン、そしてオンラインで複数のイベントを開催しました。今年は、日本茶の産地の多様性と日本茶文化の豊かさを特に強調したいと考え、オンライン・イベントでは日本の5つの異なる茶産地(静岡、京都、奈良、福岡、長崎)からスピーカーを招きました。 京都府和束町のおぶぶ茶のGeorge とPau は、町の近況を語り、春の収穫の成功を共有しました。静岡県富士市のMohei Tea から招いたTaro さんは、静岡のお茶産業の進化について語り、Yame Green Tea のHonoka さんは福岡県八女市のお茶生産者からのメッセージを伝えました。最後に、長崎県東彼杵町のIkedoki Tea のMarjoleinさんが、四季折々のお茶の風景を美しい映像で紹介してくれました。 京都でのイベントでは、私たちの親愛なるお茶仲間であり、京都地域の多様な観光活動をリードする長谷川美香さんによる茶道のデモンストレーションも行われました。その後、鹿児島と静岡のおいしい新茶を頂きながら、新旧のお茶友だちと歓談する心地よいひとときを過ごしました。 スペインでは、アンナは中国茶のスペシャリストであるGwen Chesnais とともに、マドリードに新しくオープンしたティーハウスでイベントを開催しました。日本茶と中国茶の伝統が見事に融合したこの特別な機会を、喜びに満ちた20人の熱い参加者が祝いました。このイベントでは、Utena Tea の爽やかな水出しほうじ茶と、Ikeda Chaen […]

ティーイベントat Moment Tea-Coffee 2025, スイス・バーゼル

2月28日と4月4日、私たち—―バーゼルにあるMoment Tea-CoffeeのオーナーThomas Fries とAndy von Allmen(日本茶.ch – HOME)——は、日本茶文化をテーマにした2つのイベントを開催しました。当初は1つのイベントを予定していましたが、大きな反響により、2つのイベントにバージョンアップされました。 これらの2時間のセッションでは、参加者は日本茶の世界——その植物、歴史、品種、製造方法、そして淹れ方や保存技術——について学びました。イベントのタイトル「日本茶文化入門——イメージ、言葉、そして行動」に忠実に、五感を刺激する体験を提供することを目指しました。参加者は、玉緑茶、ローストされた和紅茶、ミカンの冷煎茶(かぶせ茶)の試飲を楽しみながら、茶の種、異なる茶葉、伝統的な茶器に触れる体験もしました。 参加者らの熱い反応、考え抜かれた質問、そして今後のセッションへの関心は、このイベントを本当に充実したものにしました。このイベントが5月と6月に再び開催されることをお知らせでき、大変嬉しく思っています。より多くの茶愛好家の方々をお迎えできることを楽しみにしています! *テキストと画像は、当社のティーカタリスト、Andy von Allmen によるものです。

プラハティーフェスティバル 2025

2月22日と23日、プラハティーフェスティバル第3回が開催され、お茶愛好家たちを興奮の渦に巻き込みました! 昨年から予想していた通り、期待を裏切りませんでした。仕掛け人のAgha と素晴らしいボランティアチームが、お茶コミュニティにとって素晴らしい週末を作り上げたのです。このフェスティバルには、才能あるアーティストが手作りした茶器やアクセサリーを展示する評判の高い出展者や、世界各地の茶産地から厳選された特選茶を提供する茶葉販売店が集まりました。これらすべての屋台骨となったのは、来訪者がフェスティバルを離れても折々に訪れることができる、素晴らしいティーハウスで繁栄する街そのものでした。ワークショップ、トークショー、お茶のテイスティング、そしてコンサートまで、盛りだくさんの内容でした。 また訪れることができて、これほど嬉しいことはありません!旧友との再会や新たな出会いの合間に、GJTeaのメンバーにも何人か会えたことも幸せでした。そのうちの何人かは、茶歌舞伎のワークショップを手伝ってくれました。 フェスティバルのオリジナルカップが全参加者にプレゼントされた 手作りの茶器のオファーがとても魅力的だった この週末についてお伝えしたいことはたくさんありますが、ここでは日本茶に焦点を当てましょう!今年は日本茶の存在感が目立っていました。出展者の中では、Rishe Tea がオーガニック日本茶の素晴らしいセレクションを携えて戻ってきました。ドイツのKeiko さんは、緑茶に含まれるテアニンについて非常に有益な話をしてくれました。特筆すべきは、彼らが綿密な調査を行い、実験室でさまざまな緑茶の成分レベルを比較し、収穫時の違いまで区別していたことです。なんて丹念な研究でしょう!Aiya も抹茶を展示し、オランダから初参加のJ-Port Green Tea Japan は、様々なお茶とお茶製品を持ち寄りました。オランダから参加のTanaka は美しい日本の陶磁器を紹介し、お茶仲間のKyle Whittington は卓越した仕服アートを紹介するブースを出展しました。Kyle はMeetea Tea Studioでも展示を行いました! 田中陶器 […]

茶歌舞伎 at プラハティーフェスティバル 2025

プラハティーフェスティバル2025は大盛況で、その様子をお伝えするのが待ちきれませんでした! この特別で温かみのあるフェスティバルには、ヨーロッパ各地、そして世界各国からお茶の愛好家が集まります。国際日本茶協会として参加した私たちは、今回何か特別なこと、ちょっと変わったことをしたいと思いました。 茶歌舞伎は、14世紀頃に生まれた日本のブラインドテイスティングゲームです。何世紀にもわたり進化してきましたが、今日でも特に日本の茶業界のプロの間で広く楽しまれています。とても難易度が高いですが、とても楽しいゲームです! このアイデアを思いつき、フェスティバルのプログラムでワークショップを告知したところ、すぐに多くの申し込みがありました。このようなゲームの調整は簡単ではありません。なぜなら、次々と異なるお茶を素早く淹れる必要があり、さらに私たちの場合はその間に茶器を洗う必要もあったためです。 嬉しいことに、私たちの日本茶コミュニティは常に驚きを与えてくれ、多くのティーフェローが手を差し伸べてくれました。Zita、Steen、Marta、そしてCinziaは、お茶を淹れて提供する非常に難しいパートを担当してくれました。彼らはワークショップ前の時点ではお互いに知り合いではなかったにも関わらず、スムーズな組織構築と迅速な作業で完璧な仕事をしてくれました! 当団体の紹介の後、私たちは茶歌舞伎の歴史とそのルールについて説明しました。ここでは時間的な制約のため、通常は5種類を淹れるところを3種類に短縮したバージョンを行いました。選んだお茶はかなり難易度が高いものでしたが、参加者は上手く予想できました!使用したのは宇治・吉田銘茶園の玉露、和束・京都おぶぶ茶苑の煎茶、そして加茂・DOIT! FARM!の煎茶で、すべて同じ条件で熱湯の使用だったため、玉露と煎茶の違いを区別するのも難しいほどでした。 茶歌舞伎における難題の一つは、お茶を飲んで次のお茶が運ばれてくる前にすぐに推測をしなければならないというルールにあります。確かにかなり複雑でしたが、おそらく有益な知見もあったでしょう。そして何より、参加者(そして私たちも)は楽しんで体験していました! ご参加いただいた皆様(GJTeaのメンバーも含まれていました!)および、その熱意に感謝いたします。 特に、貴重なご支援をいただいたティーフェローおよびカタリストの皆様に感謝申し上げます:この記事の写真を撮影してくださったSofie Vercauteren氏、およびゲームの運営を手助けくださった Zita Varga氏、Steen Pipper氏、Marta Skorupska氏、Cinzia Merlin氏。

全国手もみ製茶技術競技大会 2024

日本の茶の生産は年内の作業をほぼ終えていますが、11月には特別なイベントがあります——それが「全国手もみ茶技術競技大会」です。このユニークな大会では、全国の茶産地から集まったチームが、最も長く、まっすぐな茶葉(針状茶)を作る技術を競い合います。   第28回の大会が11月14日に静岡県の藤枝市で開催されました。全部で28のチームが参加しましたが、静岡から5チーム、京都から4チームとこの2つの県からの参加者が多かったです。 あるチームは前日の夜に現地入りし、また別のチームは当日早朝に出発して、朝8時30分までにこの農村地域の会場に到着しました。受付の後、参加者は冷凍の茶葉を受け取り、ほいろと呼ばれる手もみ台の準備に取りかかりました。大会は正式に9時に始まり、5時間の作業時間を経て2時に針状の茶を提出します。 手もみの工程には、いくつもの緻密なステップが含まれます。まず、優しく揉んで表面の水分を取り除き、次に内部の水分を取り出すための力強い揉み込み、茶葉の固まりをほぐし、最後に美しく細長く形を整える仕上げへと進みます。そして、ほいろの上で最終的に茶を乾燥させます。今年は特に茶葉に内部水分が多く残っていたようで、制限時間内に終わらせるのに苦労したチームもありました。 今回の大会では、GJTeaメンバーの活躍も目立ちました。Bretさんは浜松チームとして参加し、Pauさんは和束(京都)のチームで出場。そして、私たちの代表であるSimonaも、別の和束チームで競技に加わりました。 そして今年の優勝は、地元・藤枝市のチームが手にしました。優勝チームの皆さん、おめでとうございます!