ベルリン・ティーフェスティバル2023

11月17日-19日に、第4回ベルリン・ティーフェスティバルが開催されました。今回私たちは記念すべきこのフェスティバルに参加してきました! このフェスティバルは3日間開催されました。17日(金)はB2B向けに開催され、茶産業に関わるプロの方々の講演がありました。そこでは、私たちのお茶仲間でティースペシャリストのEduardo Molina Anfossiさんも登壇し、ドイツ茶ブランド “Paper&Tea”の成長について講演されました。18日(土)は、様々なメインイベントが開催されました。お茶愛好家がハイリヒ・クロイツ・キルヒエ (聖十字架教会)に集まり、たらふくになるまで美味しいお茶を試飲しながら、1日中お茶の会話で盛り上がっていました。なんと賑やかで活気に溢れる光景なのでしょう!!上質なお茶や茶器が世界中から集まる中、日本茶・日本茶器は一段の輝きがありました。ドイツにある茶輸入販売店”Kos-Tea”では、美味しい日本茶から冷凍抹茶まで様々な日本茶を入手することができます。 そのほかにもドイツにある茶店”Teerausch”と”Teekontor Kiel”ではとても上質な日本茶を幅広く取り寄せています。こちらのお店の催しスタンドでは、宮崎県森本茶農家の「特上かぶせ茶」が参加者に提供されていました。抹茶に着目したドイツ茶ブランド”Aiya”はドイツで「お茶の神様」とも呼ばれている方がオープンしたことから注目を浴びていました。そこの催しスタンドでは、抹茶と玉露の提供が!また、ドイツ・ディーフォルツに本店をおくオーガニック日本茶ブランド”KEIKO Tee”ではお茶の淹れ方のワークショップが開催されていました。そこの本店では、大きくて美しい茶室だけでなく、抹茶を自家製粉する石臼も見ることができます!たくさんのお茶が披露される中、4つの日本茶農家がわざわざ日本からこのフェスティバルに参加しにきていることは、私たちにとってフェスティバルのいちばん盛り上がり部分でした。 “TOKYO TEA BLENDERS”は和紅茶をメインにプロデュースしている、日本各地から集まった日本茶農家グループです。このグループのうち3名が先月ヨーロッパ各地を周り、そして嬉しいことに、ベルリン・ティーフェスティバルにも出場していました。ますいさんちの茶・益井園のEtsuro Masuiさん、カネロク松本園のHiroki Matsumotoさん、釜炒り茶柴本のToshifumi Shibamotoさんがメインホールにてお茶の試飲会を開催していました。試飲会はとても人気で、お茶の愛好家がお茶の話を聞くため・試飲するためとこぞって人混みができていました。緑茶、紅茶が並ぶ中、一味違う香りを持つ和紅茶も試飲ブースにありました。 そのほかには、茨城県吉田茶園の吉田浩樹さんも参加していました。彼は奥さんを連れてヨーロッパを周っている中で、今回私たちと一緒に参加することになりました!浩樹さんとGJTeaメンバーのAnnaさんは現在の日本茶の状況を語った後、吉田茶園を一緒に紹介しました。セミナールームは40人以上の参加者で満席でした!浩樹さんの奥さんは私たちのお茶仲間の一人であるLilia Hansonさんと一緒に煎茶、そして希少品種「イズミ」で作った和紅茶を参加者に配る準備をしていました。私たちの講演会・試飲会にたくさんの方が参加してくださったこと、たくさんの方から興味を持っていただけたことは私たちにとってとても嬉しい限りです! 開催最終日の日曜日は少し落ち着きがありましたが、様々なことが起きていましたー市内の各地でフェスティバルが開催されたのです。”TOKYO TEA BLENDERS”は試飲会を開催し、前日とは異なり、より落ち着いたペースでの提供でした。お茶について話せる時間も増え、ゆっくりとした味わいを参加者は楽しんでいました。 たくさんの私たちのお茶仲間がフェスティバルに参加していました。見慣れた顔をあちらこちらで見られたのはとても嬉しかったです。そしてついにオンラインでしか会ったことがないメンバーに対面越しに再会できました!何人かのメンバーと晩御飯を食べたり、今回のフェスティバルとお茶について話し合ったりと、より深く知り合うことができました。 2週間ほどが経ちましたが、いまだにベルリンでの様々な出会いと出来事の余韻に浸っています。そして、素晴らしい茶コミュニティに感謝です!お茶の提供をしてくださった方、写真を撮ってくださった方、協力してくださった方、お話をしてくださった方、ブースに訪れてくれた方含め皆さん、ありがとうございました。特に、この記事中の写真を撮ってくださったSofie […]

日本茶エバンジェリストプログラム 2023

私たちが開催するプロジェクトの中で日本茶エバンジェリストプログラムは最も私たちに将来に対する明るい希望とワクワクをくれるプログラムでしょう。 このプログラムは2022年にスタートし、留学予定である日本の大学生を対象としています。留学中に、彼ら日本茶エバンジェリストたちは様々な日本茶イベントを留学先で開催し、世界からの日本茶への注目を向上させることを目指します。 2023年のプログラム生はオンラインティーコースを修了することで日本茶エバンジェリスととして羽ばたきます。実践は学ぶことにおいてとても重要なので、オンラインプログラム後彼らは茨城県または京都府にてお茶の栽培と製造過程を現地でより深く学びます。 茨城では、日本茶エバンジェリスト達は吉田茶園を訪れ、一日を茶畑で過ごします。彼らは茶栽培を、日本で最も北部のエリアと最も都会エリアで学びます。また、製茶工場を見学し、新鮮な茶葉がどのようにしてお茶に仕上がるのか学びます。吉田茶園は紅茶作りでもよく知られるようになったので、一日の終わりには緑茶と共に紅茶も味わうことができます。 京都では日本茶エバンジェリスト達がおぶぶ茶苑に立ち寄ります。その日はとても暑かったですが、彼らは茶畑の見学に興味津々です。おぶぶのインターン生らの案内で煎茶工場も見学します。京都は抹茶で有名なので、様々なお茶を試飲した後、日本茶エバンジェリスト達は自分で抹茶を点てることもできます。 お茶の知識とスーツケースいっぱいのお茶を携えた彼らは、これから留学先へと旅立ちます。今後の彼らの旅を追ってみましょう。

日本茶エバンジェリストプログラム(2023)

2022年に始まった「日本茶エバンジェリスト」とは、日本の大学生に日本茶について一緒に学ぶ機会を提供し、留学先で日本茶の普及に取り組んでもらうプログラムです。昨年の成功に続き、今回でこのプログラムは2回目です。 今年は合計で68名の応募がありました! その中から選ばれた30名の日本茶エバンジェリストは7月から始まるこのプログラムに参加。7月10日から18日にかけて、日本茶の歴史、製造方法、お茶の種類、淹れ方等、合計8時間にわたる日本茶のオンラインコースを受講しました。プログラムの第一部は、特別ゲストである中村頼之教授によって行われました。 オンラインプログラム以外にも、日本茶エバンジェリストたちは、日本茶をより深く理解するために、日本茶カンファレンスに参加したり、茨城や京都でのお茶ツアーに参加したりしています。そして夏の終わりから秋の初めにかけて、彼らは5大陸15カ国以上の留学先へと旅立ちます! 留学中の彼らの活躍に期待!

グローバルティーパーティー(7/22東京・7/29京都)

国際日本茶協会が日本茶エバンジェリストともに実施する、日本茶を世界へ広めるためのカンファレンスです。 今回が、記念すべき第1回目のグローバルティーパーティー。初年度は、東京と京都の2会場で実施します。会場は、東京は東京国際交流館、京都は京都市国際交流会館という、素晴らしい会場をご用意しました。 東京国際交流館 京都市国際交流会館 内容としては、国際日本茶協会のミッションである「日本茶の魅力をどのようにして世界に広めてゆくか?」という観点から、その最先端にいる日本茶エバンジェリストが見てきた世界各地の日本茶事情のレポートを聞きながら、参加者みんなで想像を広げてゆくミーティングです。 また第2部では、日本を代表するお茶をティスティングしながら、交流できる時間も設けます。お茶は、日本茶アワード受賞茶、出品茶受賞茶など日本を代表するお茶をご用意します。 参加者は、日本茶エバンジェリスト第1期生(すでに海外での日本茶PR経験のあるエバンジェリスト)とこれから世界へ旅立つ日本茶エバンジェリスト第2期生を中心に、茶業界人、国内外の日本茶ファンなど合計70名が2会場に集まる予定です。 ご興味のある方は、ぜひご参加ください。詳細につきましては、お申し込みページに記載しております。

日本茶エバンジェリスト 2022

日本茶エバンジェリストプログラムは、留学に行く日本人学生に焦点を当てた新しいプログラムです。2022年が初年度の開催でしたが、大成功を収めることができました。 日本茶は古風なものと思われがちで、若者世代は関心を示さないのではないかという懸念がありました。しかし、本プログラムに56人もの学生から応募があり、それは間違いだったことが証明されました。当初は20名の募集を予定していましたが、想定以上の関心の高さに27名までの増員を決めました。 新日本茶エバンジェリストたちは、まず日本茶に関する1週間の集中研修を受け、お茶の歴史、生産、品種、そして淹れ方について学びました。その後、彼らが実際に茶畑を訪問する機会もありました。一グループは京都府のおぶぶ茶苑を、もう一グループは茨城県の吉田茶園を見学しました。 そして、夏の終わりには全員が留学のため日本を旅立ち、日本茶エバンジェリストは合計15カ国・4大陸(ヨーロッパ、北米、アジア、オーストラリア)に広がりました。 1月21日、プログラムは最終の報告会で幕を閉じました。まだ多くのエバンジェリストが留学中のためオンラインでこのイベントに参加し、4時間以上にわたって日本茶のプロモーション活動とホスト国でのお茶に関する発見について発表しました。エバンジェリストの中には、ホストファミリーや大学の友人のために日本茶を淹れた学生もいました。また、数人は大きなイベントで数百人にお茶を振る舞いました! 日本茶エバンジェリストたちの熱意がよく伝わってきた、2023年もこのプログラムを続けることを考えています。詳細は追ってお知らせします。

バイオスティミラント資材の実証実験

バイオスティミラントって聞いたことがありますか? バイオスティミラントとは、植物に対する非生物的ストレスを制御することにより気候や土壌のコンディションに起因する植物のダメージを軽減し、健全な植物を提供する新しい技術です。 (日本バイオスティミラント協議会ホームページより) 現在の農業では、 ①優秀な作物遺伝子資源の開発:品種改良のこと②植物栄養の供給:肥料やりのこと③生物的ストレス(害虫、病気、雑草):除草、農薬散布のこと の制御が品質の良い農産物を生産する作業の中心です。 バイオスティミラントは、それらの3つに加えて、農作物が、発育の過程で受ける生物的ストレスおよび非生物的ストレスを軽減することにより、植物本来が持つポテンシャルを最大限引き出すことを目的とした考え方に基づいて、作られた資材です。 作物は、もともと、種の時点で、収穫時の最大収穫量が遺伝的に決まっています。ところが、発芽時や、苗の時期、開花期、結実期、収穫直前などに、病気や害虫(生物的ストレス)、高温や低温、物理的な被害(非生物的ストレス)により、本来、収穫できるはずだった収量が、非生物的ストレスと生物ストレス(下図の赤と白の)によって減少していくことを示したものが上図です。この減少量のことを、収量ギャップと表現します。このうち、非生物的なストレスによる収量減少を軽減することがバイオスティミュラントの役割です。 (日本バイオスティミラント協議会ホームページより) 今回、スペインの バイオベンチャー企業のバイオレゾン社と共同で、京都府和束町の茶畑にて、バイオスティミラント資材の実証実験をおこないました。 今回、使用したバイオスティミラント資材は、こちらのバイオ増強剤・Algafert。 このバイオ増強剤・Algafertにより、早春の凍霜害を防ぐことを目的としています。 作業自体は、農薬の噴霧とほぼ変わりません。 また散布後も特に変化はありません。(当然ですが。)今春の新芽が萌芽する頃になにか変化が生まれていたら、本当に素晴らしいです。

新プログラム 日本茶エバンジェリスト

ここ日本において日本茶はもはや古臭いように思われ、若者に至っては滅多に飲むことも、ましてや昔ながらの飲み方をすることもないという通説があります。若者世代にお茶をより身近に感じてもらう必要があることは明らかです。そこで、私たちは新たな取り組みの一つとして日本茶エバンジェリストプログラムを立ち上げます。 本プログラムは今年海外に留学する日本の大学生を対象としています。学生らは留学の際、自国の文化を他国学生に伝える大使の役割を担うことが往々にしてあります。しかし、日本人学生は自国文化について深く知らないという話をよく耳にするでしょう。日本茶は日本文化の非常に奥深い部分にあるため、学生らが日本茶について学び、留学先で発信できるよう取り組みます。この2つの活動を通じて、世界中の学生から日本茶への関心を集め、同時に日本の学生たちにも改めて日本茶への関心を持ってもらえるよう願います。 今年は世界各国に留学予定の学生を20人集めることを目標にしています。今年留学を予定しており、本プログラムに関心がありそうな日本人学生をご存知であれば、ぜひ特設ページもご覧ください。

GJTea 3周年!

1月29日、私たちは協会設立3周年を迎えました。月日が経つのは早いもので、その道のりは本当に険しいものでした。荒波の時期は続きますが、私たちは一旦立ち止まり、長年にわたって私たちをサポートし、励ましてくださった全ての皆さまに感謝したいと思います。   真にグローバルな組織として、私たちは日本での対面のイベントと並行し、様々な国に散らばる皆さんに向けたオンラインイベントの両方を開催することに決めました。時間帯によっては早朝や深夜になることもありましたが、茶農家、茶商、お茶の先生、そしてもちろんお茶を愛する人たちなど、さまざまなバックグラウンドを持つ約40名のメンバーが集まりました。   京都の和束町に直接集まったメンバーから、オンラインで参加したメンバーまで、まずはご挨拶するところからイベントははじまりました。続いて、表千家茶道家元のアルバさんによる素敵なサプライズ。彼女による美しい茶道のデモンストレーションの披露を見た後、和束町に集まった人たちは抹茶と茶花をかたどった地元のお菓子を楽しみました。   抹茶でリフレッシュし、元気を取り戻した私たちは、過去3年間の活動の進捗を振り返り、将来のビジョンを共有し、現在のプロジェクトを発表しました。協会が設立され、エネルギーと熱意に満ちていた2019年、私たちは和束で日本茶マスターコースを2回開催し、20名の受講生を迎えることができました。そしてわずか数カ月後の2019年10月、私たちのチームはヨーロッパ(ドイツ、フランス、イギリス、スペイン、ベルギー、オランダ)にも赴き、お茶のワークショップやイベントを開催しました。この旅で、私たちはメンバーシップ・プログラムも立ち上げ、最初のファウンデーション・コースを対面で開催しました。私たちは来年への熱意と希望に満ち溢れていました。   しかし2020年になり、パンデミックによってすべての計画が覆されました。マスターコースも、海外出張も、無し。しかし、私たちは落胆することはありませんでした。日本茶が世界でどれだけ多くの人に愛されているかを目の当たりにし、日本茶の生産者の力になりたいと思いました。そこで、私たちは活動をオンラインに移行することにしました。2020年3月、毎月1回開催している「メンバー茶会」、2020年4月、数回開催している公式の「お茶会」、そして2020年7月には各地の茶農家を招き、茶畑やお茶を紹介する「茶農家さんとの出会いイベント」を開始しました。そして2020年10月、しばらくは参加者を日本に招くことができないと考え、ファウンデーションコースのオンライン開催も開始しました。   2021年には、これらの活動の多くを継続しました。さらに2021年3月には、次の第2レベルである、中級コースのオンライン開催も開始しました。そしてもちろん、2021年東京オリンピックの期間中、最大の活動である、15日間にわたって日本の15のお茶の産地を紹介する「日本茶マラソン」を行いました。記念イベントに参加した多くの方々から、日本茶マラソンが最も印象に残ったという感想をいただきました。   今後の展望はといいますと、協会としては、日本茶の教育や体験の中心的存在として認知され、日本茶で世界がもっと平和になり、日本茶がもっと身近なものになるよう、お手伝いしていきたいと考えています。それに向け、国内と海外の両面からアプローチしたいと考えています。具体的には、世界の大都市と日本の茶産地に、お茶の講座やイベントを開催する「日本茶のカタリスト」が率いる日本茶の拠点を作り、地元の人々や観光客に日本茶の知識を伝えていきたいと考えています。   2022年というもっと近い将来の話ですが、私たちはいくつかの新しいプロジェクトにも着手しています。特に旅行が制限された世界的なパンデミックの時期、私たちはビジュアルコンテンツが本当に重要だと感じたため、ビデオコンテンツにさらに力を入れていくつもりです。ユーチューブ・チャンネルを利用して、日本のお茶の産地やお茶の種類を動画で紹介していきたいと考えています。そして最終的には、日本茶のドキュメンタリーを作りたいと思っています。現在のプロジェクトは、それに向けて技術を身につけ、映像を集めるための素晴らしい訓練にもなると思っています。   もうひとつ重要なのは、日本や海外でお茶を愛する若い世代を育てることです。それを念頭に置き、私たちは海外に留学する日本の大学生に焦点を当てた、日本茶エバンジェリストのプロジェクトに取り組んでいます。彼らに日本茶について教え、必要なお茶キットを提供することで、彼ら自身が日本茶への関心を深め、日本茶を世界に広める一助になればと考えています。    この荒波の時期は厳しい日々が続いています。しかし、私たちのマインドは前へと進んでいます。まずは3周年、そしていつか30周年も祝うことができますように!