私たちがよく言及しているように、日本国外や日本語以外の言語で入手できる日本茶に関する情報は、それほど多くありません。だからこそ、2019年には日本茶に関する英語の新刊が2冊も出版されたことを、私たちは大変嬉しく思っています! 最後の一冊が先月出版されたばかりなので、これを機に、私たちが特に深く評価している3冊の書籍についてご紹介いたします。以下に、出版順(最新作から)に、これら3冊の書籍それぞれのレビューを掲載します。

Tyas Sōsen 氏は、大学院在学中にベルギーから日本へ移住し、それ以来、日本茶の研究と実務に携わってきました。彼は認定日本茶インストラクターであり、茶道・遠州流の認定講師でもあります。
彼の著書は、お茶の種類、栽培、製造から飲み方まで、日本茶に関する深い入門書となっており、さらにTyas 氏自身の経験に基づく興味深い事例も紹介されています。
『The Story of Japanese Tea』は、長年の研究、経験、茶葉の仕入れ、喫茶の実践、茶農家との直接的な関わりだけでなく、伝統的な日本茶の世界に対する著者の情熱、献身、そして貴重な洞察も反映しています。持続可能性に対するTyas 氏の視点、そして茶が自然と調和してこそ真価を発揮するという考え方は、実に示唆に富んでいます。
この本から引用したい箇所は数多くありますが、最後に私が特に気に入っている一節をご紹介したいと思います。
「お茶は、その多様性を理解し、私たちが『こうあってほしい』と望むものではなく、『お茶そのものが持つ固有の存在』として捉えたときに初めて見えてくる。[…]『The Story of Japanese Tea』の主な目的は、お茶が持つ唯一無二の個性と多様性を味わい、楽しみ、尊重することの大切さを伝えることである。また、お茶づくりは決まった手法に依存するものではなく、それぞれのお茶が独自の方法で生み出されていることを示したい。このことこそがお茶の真の楽しみであり、その文化的遺産や内に秘めた魅力へのより深い理解に繋がるのである。」

Oscar Brekell氏は2013年にスウェーデンから日本へ移住し、それ以来日本茶業界で活動しています。日本茶インストラクターの資格を持ち、かつては日本茶輸出促進協議会で勤務しながら、日本国内外で日本茶文化の普及と教育に積極的に取り組んできました。
Oscar氏の著書は、日本茶の種類、品種、産地、香りや成分、製造方法、淹れ方のコツ、さらには茶器に至るまでを、分かりやすく整理された形式で紹介しています。豊富な図表や写真によって、日本茶に関する知識のレベルを問わず、誰もが理解しやすい内容となっています。また、日本語と英語のバイリンガル仕様であることも、日本茶の専門家や日本語に関心を持つお茶愛好家にとって大きな魅力でしょう。
『The Book of Japanese Tea』の序文からは、著者の情熱と、この実用的な一冊に込められた思いを既に感じ取ることができます。
「日本には東山文化の時代から『市中の山居(しちゅうのさんきょ)』という考え方がある。[…]私は、この言葉こそ日本茶の美しさを見事に表していると考えている。たとえ都会の喧騒の真ん中にいても、一杯のお茶から立ちのぼる香りは心を活気づけ、まるで霧に包まれた山々に囲まれた茶園の中に立っているかのような安らぎと静けさをもたらしてくれるのである。」

皆さん既にご存じかもしれませんが、Simona Zavadckyteも2013年から日本でプロとして茶業界に携わっています。日本茶道の指導者資格を持ち、日本手揉み茶保存会の会員でもあります。また、日本国内外で数多くの日本茶教育プログラムを開発し、現在は国際日本茶協会(Global Japanese Tea Association)の代表を務めています。
Simonaの著書は、自身が培ってきた知識をもとに、日本茶のあらゆる側面を読者に紹介しています。栽培、製造工程、お茶の種類、成分、淹れ方やテイスティング、歴史と現状、茶道、茶器まで幅広い内容が盛り込まれており、読みやすく丁寧に構成されたガイドブックとなっています。
日本の茶産地で深く生活しながら培った経験と情熱、そして海外に向けて日本茶についてより多くの情報を発信したいという思いが、この本を執筆する原動力となりました。
「日本茶の国内人気は低下し続けており、今では古くさいもの、前世紀のものと見なされることさえある。急須を持つ家庭は少なくなり、自動販売機で販売されるペットボトル茶を購入することが一般的になっている。[…]だからこそ、日本茶とその素晴らしい文化を未来へ繋いでいくためには、国内外の両方でさらなる努力が必要である。このガイドを読んでいるあなた自身も、日本茶への好奇心を持ち続け、その魅力を味わい続けることで貢献できる。一杯一杯のお茶に意味があるのだ!」
これらの本は、それぞれの著者の個性や日本茶への向き合い方を映し出しています。しかし、その根底には共通するものがあります。それは、日本茶への深い情熱、日本茶文化の本質への深い理解、そしてその美しさを世界に伝え、未来へ残していきたいという強い願いです。

