日本茶セミナー in ロンドン(イギリス)

この日は、UKティーアカデミーの協力を得て、日本茶セミナーを開催しました。この日も日本から同行してくれている、静岡島田の茶農家じゅんじゅんことであい農園の渡邊潤さんも一緒でした。 UKティーアカデミーは、2015年に設立したお茶の学校で、今年6月にシェイクスピアゆかりの地・シェイクスピア・グローブの近くに新しい教室を構えました。 今回の日本茶セミナーは、UKティーアカデミーの新しい教室で開催させていただきました。 お茶の教室ですから、茶器や湯沸かしポット、プロジェクターなどがしっかり設えられているのがありがたいです。 また水道に軟水器が設置されているのもとてもうれしい。 ロンドンの水道水をはじめ、ヨーロッパの水は、ほぼ硬水であるため、水の影響を受けやすい日本茶の場合、軟水器の有無、そしてその種類によって、同じ茶葉でも全く違う味や香りになります。 ここUKティーアカデミーでは、ドイツのブリタ製の軟水器が導入されており、とても美味しくお茶を淹れることができました。 余談ですが、UKティーアカデミー代表のジェーン・ペテグリューさんは、ブリタ社の研究所での水の硬度でお茶がどのように変化するのか?と言う実験に立ち会うため、このイベントの翌日にドイツに旅立ちました。 さて、いつもどおりの長い前置きとなりましたが、この日は、いろんなお茶を飲みながら、国際日本茶協会の紹介をさせていただきました。 集まってくれたのは、UKティーアカデミーの生徒さんをはじめ、お茶が大好きな皆さん。 中には、お茶の会社を経営されていたり、お茶のお店で働いている方もいらっしゃいました。 この日、淹れたお茶は、 オーガニック煎茶(京都)琥珀のほうじ茶(京都)超深蒸し煎茶(静岡)和紅茶(静岡)氷出しのかぶせ茶(京都)抹茶おくみどり(京都)抹茶ココナツミルクラテ(静岡)八女玉露(福岡) の8種類。 お茶が大好きな皆さんですから、それぞれのお茶について、緑茶の保存方法、たくさんの質問をくださいました。 これだけたくさんのお茶好きの方が集まってくださるとロンドンまで来た甲斐があると言うものです。 開催のために尽力してくれたUKティーアカデミーのジェーン、ケイト、ナディーン、ピカールはじめ、参加してくださったみなさん、本当にありがとうございました。

日本茶の香気ワークショップ in パリ(フランス)

パリでは、お茶の香りの学校「ラ・カンテサンス」にて、日本茶と香りのワークショップを開催しました。この日も日本から同行してくれている、静岡島田の茶農家じゅんじゅんことであい農園の渡邊潤さんも一緒でした。 ラ・カンテサンスは、元調香師のカリーネさんが、2016年に立ち上げた、お茶の香りに特化した学校です。 昨年からパリ8区にあるマドレーヌ寺院の近くに施設を構え、毎年着々と進化しています。 ラ・カンテサンスの特徴は、お茶の香りに含まれる様々な成分を嗅ぎ分け、その香りを誰にでも分かりやすい香り(例えば、バニラ、カラメル、アニス、レモンなど)として表現し、認識してゆくところです。 一方、日本茶の鑑定や審査の場合、火香、ミル芽臭、萎凋香、新鮮香、硬葉臭(こわばしゅう)、覆い香など、一般的には馴染みのない言葉で表現されるのが一般的です。 そのため、日本茶の香りを一般の方に伝えるのがなかなかに難しいのが実情で、特に海外の方にこれらの用語で伝えるのはほぼ不可能です。 そこで国際日本茶協会では、ラ・カンテサンスと協力し、日本茶の香りを一般的な香りで表現できるようなセンサリーキットやセミナープログラムを開発する予定です。 これらを使って、それぞれのお茶の香りの違いを一般的な香りで表現し、日本茶の魅力を香りでも広めてゆければと考えています。 そしてこの日のワークショップでは、そのプログラムを作り上げるためのステップとして開催しました。 この日用意したお茶は、ほうじ茶3種、煎茶4種、玉露3種(かぶせ茶含む)の合計10種類。 また用意した香りの成分は、上記の他にヒノキ、ブルーベリー、ローストナッツ、調理したエビ、ヨウ素など13種類。 この10種類のお茶を飲み比べ、そこに含まれる特徴的な香りの成分13種類を嗅ぎ比べました。 この香りのワークショップの面白いところは、香りを認識するのには、3つの種類があることを理解でいることです。 一つ目は、自分の記憶に鮮明にある香りの場合(例えばバニラ)、即座に「あ、バニラだ!」と認識できます。 二つ目は、嗅いだことがあるけど、なんだっけなー?という香りの場合、言われてみると「その香り!」と認識できます。 三つ目が、初めは何も香りがしない気がするのに、香りの種類を教えてもらって、もう一度嗅いでみると、「あ、確かにその香りがする!」と認識できます。 かなり無理矢理の例えですが、これは、他の言語(例えば英語)のリスニングに似ていて、知っている単語(匂い)(例えばapple)の場合は、即座に「アップル」と認識できるけれど、知ってる単語(例えばpear)でも、自分の覚えてる発音(匂い)と少し違ってたりして、あとで「今ペアーって言ったよ。」と教えてもらったら、「あ、たしかに梨だー!」と分かるのに似てます。 そして知らない単語(匂い)(例えばpersimmon:柿)の場合は、「persimmonが柿なんだよ。」って感じで、教えてもらって、「これが柿かー。今度からわかる気がする。」と言う感じです。 日本国内でもお茶の香りをもっと一般的な表現にしようという流れが起こりつつあるので、そこにラ・カンテサンスも合流してもらうと、面白いのではないかと思っております。 この日の実験的な日本茶の香気のワークショップに参加してくれた皆様、そして4時間以上にわたって熱心に教授してくれたカリーネさん、本当にありがとうございました。

日本茶フリートーク in ベルリン(ドイツ)

今年から始まった国際日本茶協会による日本茶普及の海外ツアー。 と言ってもまだその存在も活動もほとんど知られていない国際日本茶協会。 そのため国際日本茶協会自体を理解してもらえるようにその使命や活動についてのセミナーを各地で開催する予定で、ベルリンにて記念すべきその一回目を実現しました。 国際日本茶協会がどのようにして設立に至ったか?、その使命、具体的な活動についてお話ししました。この日も日本から同行してくれている、静岡島田の茶農家じゅんじゅんことであい農園の渡邊潤さんも一緒でした。 2018年9月にマドリードで設立イベントをし、今年1月に一般社団法人となった国際日本茶協会。 実は、2017年の秋にベルリンのお茶屋さん数軒を視察する道すがら、話している時にその必要性と形が明確になってきたのです。 ベルリンのお茶屋さんを巡りながら、結晶化するアイデアをまとめ、協会のホームページを夜な夜な作り上げました。 もちろん旅先で片手間に作ったプロトタイプのホームページでしたから、今となってはほとんど跡形なく更新されていますが、この時に結実したアイデアが今の国際日本茶協会のバックボーンとなっています。 言うなれば、ベルリンで国際日本茶協会の種が結実し、地面に落ちて、一年後マドリードでついに芽吹き、この冬、双葉になったといったところでしょうか? 今、ボランティアのみんなのおかげで国際日本茶協会のホームページは9カ国語に翻訳されています。 しかしまだまだその情報量は少ないので、これから何年もかけて、日本茶の百科事典のような膨大なウェブサイトに仕上げてゆきたいと考えています。 お茶は、赤ちゃんからお年寄りまで(入院してる人でも!)飲める人類にとって二番目(一番は水)に身近な飲み物です。 そしてお茶は茶畑という一次産業で生み出され、茶工場で製茶(二次産業)され、自宅で飲まれるだけでなく、カフェやレストランで提供(三次産業)されてます。また茶道として日本文化の中核にも位置しています。 それだけにできることがたくさんあるので、国際日本茶協会の夢もあらゆる方向にさまざまなアイデアが膨らんで、どこから話したものか、整理するだけで大変な状況でもあります。 今はその存在すら誰にも知られていませんが、これからたくさんの人たちに関わってもらいながら、世界中の人たちと茶碗片手に楽しんでいけたらと思うと、胸が躍ります。 ベルリンを皮切りに始まる今年のユーロツアー同様、国際日本茶協会の旅は始まったばかりです。 いつの日か、今この文章を読んでくれているあなたにも出会える日がとても楽しみです! 記念すべき一回目の国際日本茶協会セミナーに来てくれた皆さん、本当にありがとうございます。 そして国際日本茶協会を設立するという壮大なアイデアを結実させてくれて、また記念すべき一回目のセミナーを開催させてくれたベルリン ティーアカデミーの皆さん、本当にありがとうございます。 来年また、今年とは違った姿で戻って来れることを楽しみしててくださいね!

日本茶セミナー in ベルリン(ドイツ)

この日は、翌日の日本茶アワードinベルリンのメンバーの現地でのトレーニングを兼ねて、日本茶セミナーをベルリン ティーアカデミーにて開催しました。この日も日本から同行してくれている、静岡島田の茶農家じゅんじゅんこと、であい農園の渡邊潤さんも一緒でした。 ベルリン ティーアカデミーは、ベルリンコーヒーロースタリーが2016年に設立した、新しいお茶の学校です。 ベルリン ティーアカデミーのホームページ そしてこの日の講師は、日本茶インストラクター協会の奥村専務。 翌日からの日本茶アワードの現地スタッフのトレーニングを兼ねて、ベルリンにて特別講義が実現したのです。 この日は、お茶の種類と淹れ方で、味や香りがどう変化するか?ということを体感してもらうために4種類の緑茶(玉露、かぶせ茶、深蒸し茶、有機煎茶)を飲み比べました。 それぞれのお茶を審査茶碗で一回と急須で二回淹れ、飲み比べました。 面白かったのは、茶葉の外観だけをみた時には、有機煎茶が一番人気がありました。 その理由は、有機煎茶だけ二次加工(特に選別)をしてあったので、見た目がそろっていたのです。 しかし実際に飲み比べてみると意見がどんどん分かれていくのです。 急須で淹れたお茶は、玉露やかぶせ茶の人気が比較的高くなりました。 甘みの強いお茶がこの日集まってくれたベルリンの人たちには人気が高めでした。 ベルリンを含め海外ではティーバッグが一般的で、ティーバッグのお茶は、熱湯で淹れるのが基本です。 この日集まってくれた皆さんはお茶好きなので、もちろん急須でお茶を飲んでくれていますが、日本茶が温度の違いでこのくらい味や香りが違うことを体感してもらえたと思います。 この日は、翌日の日本茶アワードのために日本から来たインストラクターの方々にも急須でお茶を淹れるのを手伝ってもらいました。本当にありがとうございます。 また、日本茶アワードの準備をぬって、ベルリン ティーアカデミーでのセミナーを実現してくださった奥村専務、そして日本茶インストラクターの皆様、本当に感謝しております。 そして会場をいつも快く貸してくれるベルリン ティーアカデミーのイレナ、集まってくださった皆さん、本当にありがとうございます。 […]