和束(京都)〜日本の茶産地

和束のランドマークのひとつ、石寺の茶畑。

茶作り八百有余年の歴史、和束(わづか)

和束茶は、気象的・土壌的に恵まれた条件を生かし、古くから香り高い高級煎茶を栽培し、現在も宇治茶の4割弱を生産する産地で、近年ではてん茶の生産は全国トップクラスの生産量を誇っています。

  和束町のお茶の歴史は、鎌倉時代に海住山寺にいた高僧「慈心上人」が、茶業興隆の祖と言われる「栂ノ尾の明恵上人」から茶の種子の分与を受け、鷲峰山山麓に栽培したのが始まりであると言われています。

また、天正年間(1573~1592年)には、和束郷原山の地に57aほどの畑を開き、茶の実を蒔いたと言う記録が残されていますが、その当時の製茶法は極めて幼稚なもので、自家用に使われていたと言われています。

その後、元文3年(1738年)に和束の隣、宇治田原町の永谷宗円が煎茶法を考案されたが、和束では
それ以前からお茶を作り販売していたらしく、町内の大智寺所蔵文書にその記録があります。その頃からお茶の栽培が増え、煎茶を専門にする農家が出始め、江戸時代中期からの茶保護施策により、和束茶業も一層発展し今日に至っています。(和束町ホームページより)

円形茶園(原山)

和束の気候風土

和束町は町の中心を流れる和束川に沿った谷間に広がる茶産地です。標高100m〜600mの山あいに町広がる茶園は約600haあり、それを約300軒の茶農家が数代に渡り、守ってきました。

かつてマンガンの鉱山が至る所にありミネラル分が豊富な岩盤地形の上に茶畑があり、また昼夜の大きな寒暖の差が生み出す霧によって、和束の茶葉には「霧香(きりか)」と呼ばれる香りがあると言われています。

現在、京都産の茶葉の約40%は和束産で、抹茶の原料である碾茶の生産量は、国内生産量の22%を占め、日本一です。しかしながら茶園は急峻な丘陵地帯に広がり、乗用摘採機が入れる茶畑がほとんどなく、今も可搬式摘採機による収穫が主流です。

和束茶の種類

和束は、基本的に浅蒸しが主流で、元々は純煎(露地煎茶)が有名でした。近年のかぶせ茶、そして抹茶の原料である碾茶の需要拡大の流れに乗り、覆いがけをしたお茶が増えており、露地煎茶は生産量では、主流のお茶ではなくなりました。

また京番茶という、硬化した茶葉を使ったカフェインが少ないほうじ茶も伝統的に作られています。

近年では、和紅茶も増えてきました。

近年のシングルオリジンの流れにいち早くキャッチアップし、茶農家ごとのシングルオリジンの煎茶などが100種類以上楽しめる和束茶カフェが2009年よりオープンしています。

和束町マップ

和束町おすすめスポット

和束茶カフェ

和束町内で生産されたシングルオリジンのお茶が飲める、購入できる。

営業時間 10:00−17:00


年間スケジュール

4月中旬 初市の茶摘み(手摘み)&手揉み製茶
4月下旬 新茶の収穫開始
5月   碾茶の収穫
6月   刈り直し(番茶)の収穫
7月   二番茶の収穫
8月   お盆休み
9月   秋番茶の収穫開始
11月  茶源郷まつり